事業が成長し従業員が増えれば、それ相応のオフィスへ移転する必要性が出てきます。しかし、会社の移転が初めての場合、どういったポイントに気をつけて物件を探せば分からない人も多いはず。そこでこの記事では、事務所を移転する際に、気をつけるべき3つのポイントについてご紹介します。
みなさんも一番初めに頭に浮かんだのは「賃料」ではないでしょうか。企業経営において、固定費を下げることは最も有効なコスト削減方法です。多くの会社の場合、売上は右肩上がりでは無く、多少の変動はつきもの。利益が上がらない時期でも、固定費は変わりません。「来客などに備え、それなりの物件に移転したい」という気持ちは分かります。しかし、まずはそのエリアの賃料相場を知るためにも、不動産仲介会社またはオフィス専門のコンサル会社に相談し、適正かつ自社の規模に見合った賃料のオフィス物件を探してもらいましょう。
いざ実際に物件の下見に行くと、画像でみる雰囲気と実物との差に多くの人は気がつくはずです。ただ、この下見だけでは分からないポイントがあります。それが「前の会社の退去理由」。例えば、「昼時になると騒音を出し始める住民が近くにいる」「事件などがあった曰くつきの物件」などです。不動産業者も、そういったトラブルを事前に教えてくれる業者ばかりではありません。その場所が空いているということは、新築でない限り、前の会社が移転していったということです。入居後のトラブルや不満を避けるためにも、そういった前の業者の「退去理由」は詳しく聞いておくようにしましょう。
立地が中心街や駅に近い会社であればあるほど、通勤や営業に対してのメリットは大きいでしょう。しかし、そういった場所は多くの場合家賃が高くなっています。そこで大事なのは、コストパフォーマンスの概念です。実際に通勤や営業でかかる時間と、そこから得られている利益。それに対しての家賃の差額は見合っているでしょうか。感覚的に捉えている人がほとんどですが、移転前には必ず試算し、具体的な数字でコストパフォーマンスを把握しておくことをオススメします。
このように、会社の移転に関してはいくつか気をつけておくべきポイントがあります。「賃料相場」と「前の会社の退去理由」そして「立地」。この3つを抽象的ではなく、具体的に把握しておけば、会社の移転で大きな失敗をすることはないでしょう。