オフィスを一掃し、無駄なものを排除する断捨離を決行する場合、どんなことに注意したらいいでしょうか?そもそも断捨離は新しく入ってくるものを断ち、今ある不必要なものを捨てることですが、オフィスと家庭では状況が違います。ここでは個人の所有物ではなく、会社のものをいかに断捨離していくかについて考えてみましょう。
・オフィスが書類であふれかえり、デスクの上にも書類が山積みになっている
・探したいものが見つからない
・不要な書類を処分するのにも時間がかかり、なかなか手をつけられない
・オフィス内に必要ない古い書類が眠っていて場所をとっている
以上のようなことが当てはまる方は、まず自分のデスク周りを見直して断捨離をすることをおすすめします。オフィスにいる時は仕事に追われていて、腰を据えて片付ける時間なんてとてもない!と言う方もいるでしょう。しかし、雑多なオフィスでは本当の意味での生産性は見込めないのです。個人用のデスクがないフリーアドレス制を導入する会社が増えてきているこの時代、デスクが散らかっていて何がどこに入っているのかわからない……なんてことはありえないのです。デスクがあるからそこに要らないものまで置いてしまっているのではお話になりません。断捨離で不要な書類は処分をし、データで保存できるものはプリントしない、という工夫は会社のコストダウンや効率アップにつながる有意義な試みです。オフィス移転とまではいかなくても社内環境や社員のモチベーションを変える良いチャンスになりますので、ぜひ会社一丸となって取り組んでみてください。
オフィスの断捨離を行うことにより、オフィス内が綺麗に片付くのはもちろんですが、この機会に整理整頓をすることで極力モノを減らし、スペースの無駄、業務の無駄を省くことが可能です。
具体的には、使うかもわからない古い資料や書類が保管されていたスペースを一掃することでデッドスペースが減り、その場所を有効活用することができます。そして、乱雑になっていたオフィスの中から必要なものを探し出すのに取られていた時間の無駄をなくすことができます。こういった小さな時間の積み重ねが大きなロスになっていることは言うまでもありません。もちろん、すっきりと片付くことで仕事をする人の思考もクリアになり、効率がよくなり、生産性も向上するでしょう。デスク周りの乱れは心の乱れや慢心にもつながります。断捨離をすることで心機一転、初心にかえった気持ちで仕事に取り組めるようにもなるでしょう。
また、断捨離は様々な面からムダをなくしていきますので、コピー用紙や電気代などのコストダウンも見込めます。それらのストックを必要最小限にすることでスペースに余裕ができますし、不要な事務用品やその他の余剰な備品の経年劣化も防ぐことができます。このように片付けること、断捨離することは雑務ではなく業務のひとつなのだということを再認識する必要があります。
トヨタ自動車の片付け術は書籍化されるほど有名ですが、実際どのように進めているのかをご紹介しましょう。
まず、トヨタでは片付けは仕事そのもの、という考えを定着させています。
例えばあなたは必要な書類を探すのに10秒以上かかっていませんか?1週間以上使っていない文房具はありませんか?デスクの上に1ヶ月上触っていないものはないですか?
以上のようなことをトヨタではムダと指摘しています。そして業務や職場で見つけられるムダな作業やモノを「7つのムダ」と位置付けています。その中で在庫のムダ、というものは必ずしも商品についてだけでなく余剰に持っている備品やデータについても言えることです。また、データ化すれば紙のムダが省けるような資料についても加工のムダとし、頻繁に使うのにもかかわらず必要なものが近くにない状態を運搬や動作のムダと考えています。つまり、片付けが必要な対象物だけでなく、それに付随する動作や時間のムダも問題にしなければならないということになります。
そもそもデータとして原本があるものは書類として手元に持つ必要はありません。今使っているものだけを残し不要なものはムダとして処分対象にしましょう。個人で持つ必要はないけれども、たまに使う備品などは共有のものとして置き場所を決め、使ったものは必ず元の場所に戻すことを全員で徹底しましょう。
家では思い切って捨てることができそうなものも、オフィスではなかなか捨てられないこともあります。例えば、前任者が残した資料など今すぐには必要ないがいつか使うかもしれない、などというあいまいな理由で捨てることができないものや、判断がつかないからとりあえず取ってあるものなどがそれに当たります。資料を念のため余分に印刷することについても然りです。これらについては保管期限をきちんと決めておくのが重要になります。一定期間を過ぎても出番がなければ破棄すると会社で規定することが必要です。
ものを捨てることはもちろんですが、同時に新たに備品などを増やさないという努力も必要です。あったら便利かもしれない、いつか使うかもしれないという考えはやめ、共有できるものは共有しましょう。
まず個人のデスク周りや必要ない書類の処分から行います。残すものは期限を決め、パソコンの中の不要なデータなども処分の対象にしましょう。使えない文具は捨てる、同じものは何個も置かないなど必要最低限にするよう徹底しましょう。必要か不必要か自分では判断がつかないものは、上司に判断してもらいます。
オフィスの断捨離では上司によって書類の保管期限の決定などが必要になります。オフィスがきれいに片付けられるとたくさんのメリットがありますので、これらの取り決めがない会社ではその必要性を知ってもらい、不要物の整理についての取り決めを確立する必要性があります。「捨てる・捨てない」の判断基準をはっきりさせておくことがオフィスにおいて断捨離の成功の鍵となります。