企業やそこで働く従業員にとって、オフィス内の環境は重大な関心事となります。環境が良くないと、仕事への悪影響が懸念され、生産性が低下するかもしれないからです。特に書類や資料は、ついオフィス内で散らかった状態になる事も少なくありません。従業員だけでなく、お客様にも悪い印象を持たれる場合もあります。そこで今回は、空間をうまく利用した書類や資料の収納方法、整理整頓の仕方を検証していきます。
最初に、そもそもなぜ空間を確保する必要があるのかを検証していきましょう。
企業に限らず自分の部屋においても、雑誌やマンガ、雑貨などで空間もなく溢れかえっていたらどのように感じるでしょうか。掃除や整理整頓をすることによって、せめて歩けるくらいの「空間」はキープしておきたいと思うのではないでしょうか。
企業に関しても同様の事が言えます。デスクの上に書類や資料が隙間なく雑然と置かれていて、文房具なども散らかっていたら見た目が悪くなるだけでなく、仕事がままならなくなる可能性もあります。さらに、個人情報に関わる機密事項が記載された書類などを紛失してしまったら、企業の信頼性を損ねる事態にもなりかねません。極端な話、失職しかねない事態に陥る前に、整理整頓はキチンとしておきましょう。特に、空間を作り出す事によってデスク上で仕事もしやすくなります。
また、オフィス内に空間を作り出せば、その部分に使用頻度の少ない書類や資料を収納する事も可能となります。その結果、整理整頓されたオフィス内において従業員の仕事へのモチベーションも上がり、また外部から来るお客様への印象も良くなります。
空間を利用して書類や資料を収納する際、前提としてどのような形にすれば収納しやすいかを検証していきましょう。
まず、書類を全て同じサイズに統一するのがポイントとなります。一般的には、A4サイズの規格で統一するのが分かりやすいですが、状況に応じて他のサイズでも構いません。大きな書類は縮小コピーをしたり、逆に小さな書類は拡大コピーをするなど工夫しましょう。
書類を収納棚に収める時もポイントがあります。「現在進行中の案件」「終了した案件」「後々使用するかもしれない保留中の案件」の3種類に分けて収納するようにしましょう。そして、大体半年か1年を過ぎたものに関して徐々に処分していくようにすれば、書類によってスペースを取られることも少なくなってきます。
資料ごとに、分かりやすくインデックスを貼り付けておくのも効果的です。ポストイット型のシール等を使用し、外側に貼っておけば一目で何の資料か分かります。そのシールに日付や企画の名前、取引先企業の名称などをメモ程度に書いておけば、さらに分かりやすくなるでしょう。
このような整理の方法でも収まりきらない資料がある場合は、スキャンを取るなどして電子データ化するのも手です。共有サーバーに保存しておけば、いつでも該当資料をデータとして取り出す事ができるのです。
従業員1人1人が空間を上手く活用すれば、書類や資料も効率よく収納することができます。
まずはデスクを考えてみましょう。基本的にデスク上にはパソコンと電話など必要最低限のものだけを置くのが理想ですが、あまり多くのものを置きすぎてもかえって乱雑になってしまいます。書類や資料はただ平置きにするのではなく、ファイルに入れ、さらにケースに収めるように収納すればデスク周りもすっきりします。また机上ラックを使用するのも手です。空間を有効活用することにつながり、パソコンのキーボードやティッシュといったものもスッキリと納められます。
次にデスク下部の引き出しです。上段と下段で空間の広さを変えるようにすれば、カテゴリごとに物を分ける事ができます。例えば上段は狭めの空間にしておいて、文房具などの小物を入れておき、下段にはファイリングした書類や資料を収納することでスッキリした見た目になると同時に、必要に応じて取り出しやすくなります。
また、デスクの足元の空間も有効活用できます。棚などを用意しておけば履いてきた靴やカバン、そして小さ目の書類や資料なども配置する事ができるでしょう。
オフィス内に有効活用できる空間を作り出すことも重要な要素となります。そこに資料や書類を納める事ですっきりした形となり、従業員も快適に仕事をこなすことができるからです。
その大事な鍵となるのが、レイアウトの考案です。従業員1人1人が集中して仕事を行う固定席とは別に、全員が集合して打ち合わせを行う時はキャスター付きで移動しやすい、小さめのテーブルやイスを用意します。さらに移動可能なホワイトボードやパネルといったものを用意しましょう。こうすることで、専用の打ち合わせスペースを用意する必要がなくなり、その分空間を生みだすことができます。
パーテーションを活用する事も、空間を作り出すには有効です。ワンフロアのオフィスの場合、パーテーションは部署ごとに明確な区分けをするために必要となってきます。業務室や社長室、会議室などの区分けをしていく中で、書類や資料を収納しておく場所もパーテーションで区切ってみましょう。これも空間を有効活用する方法になり得ます。
以上のような方法でオフィスの空間を作り出す事によって、たくさんの書類や資料をそこに収納する事が可能になります。
以上見てきたように、空間を上手く利用して書類や資料を収納することは、様々な工夫によって可能となってきます。大前提として資料を収納しやすいようにまとめ、その上で、従業員1人1人が工夫して納めたり、オフィス内の空間を利用するのが良いと言えるでしょう。