オフィスにおいて、空間設計は大きな役割を担っています。配置、置いてある備品、日当たり、その他様々な環境は、そこで働いている人に影響を与えています。成功企業の中には、こうした職場環境へ特に配慮をし、業績を上げ続けている企業もあります。この記事では、オフィスにおける空間設計のポイントをご紹介します。
オフィス空間の設計をするということは、言い換えると「企業の顔」をつくるということです。働いている従業員はもちろん、インターン生や面接に来た人など、あらゆる来客者に対しても「私たちはこういう企業です」という無言のメッセージを発しているのと同じといえます。FacebookやMicrosoftなどのオフィスデザインを手掛ける「Studio O+A」も、空間設計の第一原則に「企業文化を反映させる」と表明させているように、空間設計は「企業文化と合致した雰囲気・デザイン」を心がけたいものです。
入り口や出口のみならず、関係の深い部署とのやりとりがスムーズになるような配置など、導線を整理することは、そのままオフィスの空間設計をすることに繋がります。例えば、Microsoftの空間設計を手がけたデザインチームは、「メインの通路は1.2m 壁と社員の間は1.4m デスクとデスクの間は1.8m」といったように、数十cm単位で細かい定義を設けています。言われなければ気づかないような細かな配慮が、働く人のパフォーマンスを最大化させているのです。
照明も、空間設計に欠かせないツールの一つでしょう。種類によってその効果は様々で、例えば「昼光色」と呼ばれる青白い照明は、落ちつきを促し集中力を高める効果があると言われています。また、「電球色」と呼ばれるオレンジ系の照明にはリラックス効果があり、間接照明などにもよく使われます。さらに、色の種類だけでなく、床や壁など、置く場所によっても、まったく異なる空間を設計できるでしょう。家具や備品、色彩ばかりに目が行ってしまいがちですが、こうした「明るさ要素」も非常に大事なポイントです。
オフィスの空間設計において、もっとも大切なのは「企業文化に合致しているかどうか」です。それが固まっていれば、他のものは自ずと決まっていくでしょう。また、空間設計において、備品や家具も大事ですが、「導線」や「照明」にも意識を向けてみると、想像以上に驚くべき効果が表れるでしょう。