日本政府が女性管理職の割合を2020年までに30%にする目標を立てるなど、ビジネス界における女性の役割はこれまで以上に重要になってきています。そうした社会の中で、強さとしなやかさを併せ持つ「女性起業家」の存在は、今後ますます注目されていくでしょう。
モバゲーや球団買収で一躍有名になった「DeNA」の創業者であり、現在は会長職として活躍する南場智子氏。世界大手のコンサルティングファーム、マッキンゼーでパートナーまで昇進したのち同社を立ち上げた、紛れもないエリートであり、日本IT業界の黎明期から活躍する女性起業家です。経営において「人材」を何より重視する姿勢が有名で、気に入った人材は数年かけて口説き落とすそうです。著者「不格好経営」には、完璧主義のエリートではなく、もがき苦しむ生身の経営者の姿が赤裸々に綴られています。
IT企業を中心に、採用過程に浸透しつつある「Wantedly(ウォンテッドリー)」。その代表取締役CEOを務めるのが、仲暁子氏。京都大学時代からミスコンの企画やフリペーパーの発刊に携わり、卒業後はゴールドマンサックスに就職。そこからさらに漫画家修行を経てFacebookJapanへ入社と、かなり変わった経歴の持ち主です。SNSを駆使し、「待遇」ではなく「共感」を軸に置いた新しい採用の形は、今後業界のスタンダードになる可能性を秘めています。
「仕事とプライベートの両立」をコンセプトに掲げる、「ワーク・ライフバランス」創業者の小室淑恵氏は、女性登用に積極的な大企業のひとつ、資生堂での会社員勤務を経て独立した女性起業家です。パートナーとの家事の分担や子育て、仕事を定時に切り上げるための具体的な方策など、働く女性にとって大切な問題の解決に日夜取り組んでいます。現在は、政府の産業競争力会議のメンバーでもあり、民間側からだけでなく政府側からも社会の変革に取り組んでいる珍しいタイプの起業家です。
ここで紹介した女性起業家の方達は、生きてきた背景は違えども、「自分の選んだ道を全力で突き進んできた」という点は共通しています。仕事面はもちろん、人としてのロールモデルを探している女性の方は、ぜひ著作やインタビューをチェックしておきましょう。
