エントランスに入った瞬間から、クックパッド株式会社がどのような会社なのかがイメージできます。2014年に恵比寿に移転したクックパッド株式会社のオフィスには独創的なアイディアが生まれる仕掛けがたくさんあります。オフィス移転の際、「働き方の自由」を軸にフロア設計を行ったそうです。そこには、訪れたくなる仕掛けや、社内環境を円滑に保つ秘訣があります。オフィス環境を見直したいと考えている皆さま、ぜひオフィス作りの参考にしてください。クックパッド株式会社の魅力あふれる社内をご紹介いたします。
まず、入り口を入ってすぐのエントランスはガラス張りになっており、ガラスの向こうにはクックパッドの世界が広がっています。食から広がるアイディアとコミュニケーションで、食を通じて人を楽しませたい、元気にしたいという想いがオフィスからも伝わります。ガラスの向こうにはキッチンスペースと食事スペースが用意され、社員の食事スペースをあえてエントランスにて魅せることで、企業理念が見事に表現されています。このような取り組みを行っているのはクックパッドだけではありません。アマゾンやサイバーエージェントもこのように、「わが社の持ち味」が表現されたオフィス環境に力を入れています。例えばアマゾンはエレベーターに段ボールが描かれており、エレベーター内にはホワイトボードが設置されています。これはどんな場所でも、思い立ったらすぐに会議ができるオフィスを目指したそうです。また、サイバーエージェントにも、ベンチャー企業らしい2つの仕掛け部屋があります。それは「改善の間」と「打開の間」です。「改善の間」はアイテムを生み出すために明るい雰囲気に、「打開の間」は集中力を高めてアイディアを出す部屋なので、暗い雰囲気の部屋になっています。最近ではこのようにオフィス環境を見直す企業が増えています。オフィス環境は中で働く者にも、会社に訪れた方にも大切な顔という認識が生まれはじめているんですね。クックパッド社の顔はアイディア溢れるお料理です。それを見事にエントランスから表現したクックパッド社は会社に訪問した人達をも楽しませてくれます。
社員それぞれの机は、とてもゆったりとした配置になっています。一人で集中して業務をこなしたいこともありますよね。忙しい時は社員同士がピリピリといているのではないでしょうか?クックパッド社がオフィスを移転した際、開放感のあるオフィス環境と、思い立ったらすぐにミーティングが行える環境を作りました。社員のニーズをワンフロアにギュッと収めたことで、「あったらいいな」を形にしたのです。ワンフロアのどの場所にいてもミーティングが可能なように、「コミュニケーションボックス」が設置されています。アイディアはいつ生まれるかわかりません。思い立ったらすぐにアウトプットできる社内環境が、独創的なアイディアに繋がるのですね。お客様用の会議室は明るいガラス張り。お客様会議室の中に入ると、景色の見える大きな窓がまずは目に飛び込んできます。来客者がリラックスできるような環境にも抜かりはありません。
さらに会社にいながらに、和室で仕事がしたいと考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?クックパッドはそんな「あったらいいな」も具現化すべく、落ち着く香りの和のミーティングルームを用意しています。和の香りは気分を落ち着かせる作用があるため、ここで議論を行うことで柔らかな閃きに繋がるのでしょう。
お昼のランチは、社員らの手作りなのだそうです。クックパッド社員の作る手料理、とても気になりますね。クックパッドのアイディアレシピに負けないような、創作ランチが食べられるかもしれません。ランチはガラス張りのエントランスから見えるテーブルで食べることも多く、社員達が和気あいあいと集まっている姿は来客者を安心させるでしょう。このように社内をオープンにすることで、クリーンなイメージを与えることができ、評価は高まります。ランチの後はお菓子も用意されています。また、一人になりたい時には縁側ルームでのんびりと景色を眺めながら、読書をしたり新しい施策を考えたりする社員もいます。このような空間があるので、作業時間の集中力も一層高まるのです。人間の身体の構造上、集中力を高めるには、まずリラックスしていることが大前提だといわれています。これは株式会社集中力の代表であり、集中力プロデューサーの森健次朗さん著書「机に向かってすぐに集中する技術」にも書かれています。例えばゲームをする時、リラックス状態なのに集中力もありますよね?これと同じでリラックスが集中力を高めるそうです。力が入り過ぎていると集中力が雑念に変わってしまったり、疲労へつながり高い集中を生み出せなくなります。ですので、社内であっても一人でリラックスする時間も大切なのです。
クックパッド株式会社には、自由な発想やひらめきが生まれるように設計されたライブラリーがあります。このライブラリーは社員の集中力やアイディア力を高めるために作られた場所なのだそうです。アイディアが閃く部屋設計なんて素敵ですよね。ちなみにこの場所は土足厳禁なんです。この素足になるという行為そのものが、集中力を高めることをみなさんご存知でしょうか?素足になることで脳が刺激され集中力が高まります。歌手などが、素足で歌っているライブ映像などがありますよね?これは、会場の雰囲気を肌で感じるという目的らしいのですが、実は同時に集中力も高めていたのです。また、ライブラリーには食に関する様々な参考書や雑誌が置かれています。集中力が高まる空間に加えて、アイディアを生み出す仕掛けがあるからこそ、独創的なアイディアが生まれるのではないでしょうか。どのような環境が望ましいのかは職場によって異なりますが、クックパッド株式会社の場合は、「アイディアが浮かびやすい環境づくり」という視点で考えました。これは、クックパッドが提供しているサービスにも繋がる環境づくりです。このように社内の環境整備を考える際は、「どういう成果を生み出したくて、それを成し得るためにはどんな環境を用意する必要があるか」を第一に考えてみると、本当に必要なものが見えてくるかもしれません。
今回は、クックパッド株式会社のとても魅力的なオフィス環境をご紹介させていただきました。クックパッド株式会社から学ぶべき点は2つあります。まず、会社として伝えたいことは訪問された方に伝わるか。そして社員のモチベーションや作業効率が上がる環境となっているかです。オフィス移転には費用と時間がかかります。しかし、オフィス環境を少しずつ見直すことは可能ではないでしょうか。ミーティングスペースを確保したり、社内の机を少し広いめに設置するだけでも、オフィス環境はがらりと変わります。まずは、社内の意識調査から始めてみてください。オフィス環境の見直しは、社員のアイディア力や集中力、コミュニケーション力を高める鍵にもなります。クックパッド株式会社の良い部分も参考にぜひ、風通しの良い社内づくりを始めてみてください。