アメリカで生まれた途端、爆発的な人気を呼ぶこととなった自動車配車サービスの「Uber」。2009年に設立されて以降どんどんサービス先を増やし、ついに日本でも2014年から東京都内全域でサービスがスタートし、2015年には料理の宅配も行ってくれるサービス「UberEATS」がスタートました。サービスがスタートしてどちらも1年以上経ちますが、意外とサービスの実態を知らない方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、この2つのサービスの内容や様々な周辺情報を解説していきます!
Uberのサービスを語る前に欠かせない人物紹介があります。それは、Uberの運営を行っているUber Technologies Inc.のCEOであるトラビス・カラニック氏の存在です。この企業は未上場にもかかわらず、企業として10億ドル以上の評価額を受けるというユニコーン企業の代表格とも言われる存在です。そんな一大企業を築き上げたカラニック氏ですが、彼がどんな人物かを問うなら、「超戦闘民族のエリート」と表現できるくらいの様々なチャレンジをしてきた切れ者です。
そんなカラニック氏は大学時代の2000年に、とあるIT系サービスを立ち上げました。それが彼にとってのビジネスの始まりだったわけです。しかしまだこの時彼は契約関係に詳しくなかったのか、事業内容の漏洩があったと多数の企業から告訴を受けてしまいます。その数はなんと33社!結果彼のチャレンジは目も当てられないような失敗に終わり、社員や協同経営者からも見放され彼自身もどん底まで突き落とされました。実際この時、彼は破産宣告を受けてしまいました。
その7年後、2007年にも会社を立ち上げるのですが、こちらも税金関係のトラブルが原因で会社そのものを売却することになります。こうした数々の失敗にもめげず、この間にUber Technologies Inc.の母体を立ち上げ、ついに2009年に共同経営者であるギャレット・キャンプ氏とともにUberサービスを世に送り出しました。まさに不屈の人の代名詞とも言えるのが、このカラニック氏なのです。
Uberのサービスを一言でいうならば、「スマホを1つでハイヤーやタクシーを配車してくれるサービス」と言えます。現在東京都内で利用できるこのサービスですが、その使用エリアの都合などでなかなかサービスの実態をつかめていない人も少なくありません。そこで、このUberサービスの魅力を「車」「配車から乗るまで」「支払い方法と料金」という3点から語っていきたいと思います。
その1:車
Uberで配車してくれる車はタクシーとハイヤーの2種類があります。普段のちょっとした利用の時にはタクシーを、また女性と乗る時や移動中仕事をしたい時など、ちょっと贅沢をしたい場合にはハイヤーを利用できるという使い分けができるのです。ハイヤーの種類もクランやBMWの新車種などが用意されているので、都心でリッチな移動をしたい方には最高と言えます。
その2:配車から乗るまで
Uberではアプリを通じて配車が可能であり、これが普段使うタクシーとは違うメリットです。そしてこの配車では、運転手さんの顔写真やこれまでの評価なども参照できるので安心です。そして、Uberではサービスを経由して、直接運転手さんと電話も可能です。具体的な待ち合わせ場所を確認したり、あるいは到着時間についての連絡などができるのも嬉しいポイントです。
その3:支払い方法と料金
Uberはサービスを利用する時にクレジットカードの情報を登録します。そして実際に車に利用した際、その場での現金の発生はありません。完全にキャッシュレスでサービスを利用できるのです。ちなみに支払いはクレジットですが、乗り合わせた友人と割り勘で支払うといった柔軟性もあります。そして肝心な料金ですが、実はこれだけストレスフリーに利用できるにもかかわらず、他のタクシー会社と比べてほとんど料金差がないのが大きな魅力です。(ハイヤーの場合はプラスの料金があります。)しかもUberでは深夜料金の設定がないので、夜の利用も安心です。
これだけ便利なサービスですから、アメリカを中心にサービスリリース時にはタクシー会社から猛烈な反対の声が上がったのもよくわかります。2015年2月には福岡でもサービスが開始される予定でしたが、行政の指導が入りストップの状態だそうです。
そんなUberが2015年2月に新たにスタートさせたサービスが「UberEATS」です。サービスをスタートさせたのはスペインのバルセロナで、ロサンゼルスでも似たようなサービスである「UberFRESH」があります。この「UberEATS」が日本に上陸したのは2016年9月29日ですから、本当に最近のサービスです。名前の通り、「UberEATS」では自転車・スクーターなどを利用したデリバリーサービスです。現在は渋谷や五反田、汐留といった都心のごく一部でのみ利用可能で、まだまだこれからの伸びしろが期待されているサービスとも言えます。
利用可能なレストランも続々と増えているようで、公式HPのサイトを覗いてみると、ファストフードチェーンから原宿、恵比寿の有名店などかなりのバリエーションがあることが伺えます。こうした有名店の美味しい料理を、自宅や希望の場所にそのまま届けてくれるというのが「UberEATS」最大の魅力です。しかもこのサービスですが、配達員は店員さんではなく、「配達パートナー」と呼ばれる存在なんです。自前で宅配のためのコストを担保する必要がないというのは、店舗側にはかなりのメリットです。
Uber、UberEATSはいずれも、今までIT技術の浸透があまりなかったタクシー業界や飲食業界に大きな衝撃を与えたことで話題となりました。まだまだ成長途中のこれらのサービスですので、今から少しずつ利用してみて、その真価を試してみるのはいかがでしょうか。