オフィス内での揉め事や人間関係のゴタゴタ。時には息の詰まるような感覚に陥ってしまうこともありますよね。対お客様ではなくても、仲間同士や上司、後輩、同僚も他人同士。気遣いをするのは疲れるという方もいらっしゃるかもしれませんが、ほんの少しのことが習慣になれば、仕事中だけでなく、プライベートでの人間関係も更に円滑に!少しの気遣いや言葉選びで、驚くほどオフィス内の雰囲気が良くなる、普段から心がけておきたい習慣をご紹介します。
現在のオフィス内の環境を改めて観察してみたことはありますか?上司、部下、同僚やプロジェクトチームのメンバーとは、いい雰囲気づくりができているでしょうか。最近では「使えない上司」や「仕事ができない部下」「仕事をしない同僚」など、インターネット上の記事もよく目にするようになりましたよね。果たしてその人たちは本当に「困った人」なのでしょうか。
また、もしその人たちが本当に「困った人」だとして、それにいちいちイライラしてしまっては、自分の効率も下がってしまいますし、チーム内の士気が下がってしまったり、モチベーションを維持するのが大変になってしまいますよね。
一緒に働く、いわば「身内」とも言える人たちに気遣いをするということは、面倒なものなのでしょうか。仕事やプロジェクトを一緒にすすめていくにあたって、ほんの少しお互いが気遣い合える環境になるだけで、仕事の効率が上がったり、ストレスが軽減されることによるメリットはかなり大きなものとも言えます。小さなイライラの蓄積は、自らの考え方を少し違う角度からとらえてみるだけで、かなり軽減されます。
また、身近な他人を基準に物事を考えることを習慣化することによって、お客様や取引先の相手と話をする際にも、言葉遣いの選び方一つで印象が違って見えます。
例えば、同じプロジェクトを抱えるもの同士でも、営業や事務、企画などとそれぞれの受け持つ担当が分かれていたりしますよね。仕事を一緒に進めていくもの同士の人間関係が良好であれば、たとえ職場内だけのものであっても、作業効率はぐんと上がります。お互いに、「いつもお世話になっているからこの担当の仕事は早めに仕上げよう」「この数字は以前のものと違うけれど、大丈夫かな?」「こちらの表のほうがプレゼンをする際にわかりやすいかな」などと、人に対して、また仕事に対してしっかりとロイヤリティをもって取り組みやすくなります。
オフィスやチーム内の関係が悪く、また横柄な態度で仕事を渡されたり、「嫌味を言われる前に……(怒られるから)さっさと終わらせよう」などと感じながら仕事をするのとでは、同じ時間でできたとしても、仕上がりやクオリティの差は歴然です。
万が一、ミスが後から見つかった時にも、コミュニケーションがとれているのといないのとでは、把握できている物事の量がまったく異なってきます。「いつもきちんと指示をくれるので仕事がしやすい。」「いつもしっかり仕事をしてくれるから安心して任せられる。」とお互いに思えるのか、「なんでこれくらいのことに気づかないんだ!」「そんなこと言われてない!私のミスじゃない!」と思いながら仕事をするのかでは、作業効率だけでなく、精神的にも疲れてしまいます。
本当によく耳にするようになった「使えない○○」ですが、「使えない」と自分が感じるには、相手に「やるべきこと」「してほしいこと」がしっかり伝わっていないことが原因の場合も少なくありません。お客様への対応は懇切丁寧にできても、身内に対する説明や言葉遣いは、おざなりになってしまってはいませんか?
同じような仕事を受け持ったことのある人とない人では、内容の把握にもちろん差がありますし、察しのいい人、悪い人はもちろんいます。プレゼン資料を作るのが得意な人、プレゼンをするのが得意な人、細かな気遣いができる人、頭の回転が速い人、いろいろな人がいますよね。同じ言葉を使って複数の人に説明しても、一度で9割理解できる人と、2割しか理解できない人もいます。
十分理解したつもりでいても、実は思い違いだった、ということだってありますよね。
「一人一人に対応している時間なんてない!」と思われる方も多いのではないでしょうか。
雑談の合間に「○日までの資料、どうなってる?量が多くて悪いけど、いつもしっかり仕事をしてくれて助かるよ。」などと声をかけあったり、「ありがとう」「お疲れ様」「いつも急ぎで悪いね」などのコミュニケーション一つで、職場の雰囲気も良くなり、その都度再確認の意識が生まれて、ミスも減らしやすくなっていきます。
「あの人は全然働いていない!」
「同じ給料なのに!」
「自分ばっかり損してる!」
そんな風に感じてイライラしてしまったり、他の会社に勤めている友人から、そういった愚痴を聴いたりすることはありませんか?
他人と比べて「損」をしていると感じてしまうことは多かれ少なかれあると思います。しかし、他人は所詮他人です。考え方も能力も、経験もまったく別のスキルと性能を持った別の生き物です。他人は自分がいくら頑張っていることを主張しても「ふーん、大変だね。(自分の方が大変だし)」で終わり。他人とはそんなものです。
働き方のスタイルはそれぞれなのです。自分ばっかり大変だと感じてしまった時、今抱えている仕事が、取引先、また、チームメンバーや上司に喜んでもらえるか?納得のいく仕上がりになっているか?など、全体の数ではなく、目の前の仕事をより良く作り上げることに視点を変えてみるのもいいかもしれません。
「こんなにたくさんの仕事を抱えて、その中で作った仕事に文句を言われた!」それでは自分がこんなに一生懸命頑張っている意味がありませんよね。自分の思う「しなければならないこと」と、他人の「求めていること」はイコールとは限りません。そういった部分でもコミュニケーションがとれていないと、ストレスを感じやすくなってしまいます。
大量にこなすことを意識する前に、「現在○○と××の案件を抱えています。どちらの方が優先ですか?」と質問してみるのもいいかもしれません。もし、全てが緊急の案件なら、仕事を振る側の人も、他の人に割り振ったり、分担できることもあります。相手が求めているものが何なのかを把握できていると、仕事もしやすくなります。
もちろん、こちらが意識して気遣いや言葉選びをしていても、伝わらない相手や横柄な態度をとる人も世の中にはたくさんいます。こちらがきちんとした対応をしているのなら「そういう人なんだな」と諦めるのも自分のストレスをため込まないためには大切なことです。自分がどんなに誠意を尽くしても、伝わらない相手の態度に一喜一憂して、イライラしたり、落ち込んだりする必要はありませんよね。
しかし、もしそういう態度が改められない人が「部下」や「後輩」だった場合、しっかりと指摘してあげるのも「上司」や「先輩」としての大切な役目かもしれません。そういったほんの小さな一つ一つの積み重ねや考え方が、人間関係や仕事にきっちりと繋がり、集団生活をする会社の中では必要なことなのです。
「仕事さえしていればいい」「自分は仕事ができる」を突き通してしまって、仲間が離れていってしまったら、仕事の大きなミスに繋がってしまったり、プロジェクトがうまくまわらなくなってしまう、といった事にもなり兼ねません。時には「厳しい」指摘をするのも、上司や先輩の仕事なのです。その時にも、相手に伝わりやすい言葉遣いや聞き入れてもらいやすいコミュニケーションを忘れずにいたいですね。
いかがでしたか。オフィス内での言葉選びや、気遣いの大切さについてご紹介しました。多くの人と関わりあう社会生活。お客様や取引先だけでなく、すぐ近くにいる「人」たちとの関係やコミュニケーションもとても大切。今一度、自分自身と、身の回りを、少し違う角度から見つめ直してみませんか?