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総務人事担当者が取っておきたい資格【費用・準備期間】

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総務人事担当者が取っておきたい資格【費用・準備期間】

総務人事担当者が取っておきたい資格【費用・準備期間】

総務人事担当者の業務は多岐に渡ります。総務一般の業務、たとえば備品の管理などを考えると「裏方」のイメージが強いかもしれませんね。しかし、実際には人事職のように社員の生活をダイレクトに左右する仕事もあるなど難しい業務なのです。以下では、そんな総務人事担当者にとって「これを持っていれば必ずキャリアアップに役立つ!」という3つの資格をご紹介します。

ビジネス実務法務検定

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

総務や人事という仕事は「会社の血液」と表現できるかもしれません。総務といっても、中小企業では経理や法務を受け持つこともよくあります。また人事職ともなれば、「人間に対する深い理解」が必要となります。採用では当然ですが、社員となったあとも、教育・研修や評価、メンタル面を含めた健康管理にも気を配る必要があります。自社の業務をすみずみまで理解した上で、快適な職場環境の構築や適切な人材の配分を行う総務人事担当者は、会社の土台を支える重要な立場にあるといえます。
このように広汎な業務に関わる総務人事担当者にとって、まず求められる資質は「ビジネスに対する広い視野」です。そのためにはビジネスを成り立たせている基本実務や法律の理解が欠かせません。『ビジネス実務法務検定試験』はその資質を計るのに最適の資格だといえます。
本検定では、法務・総務・人事はもちろん、営業や販売など企業活動を遂行するにあたって求められる法的素養が試されます。試験は3級から1級まであり、3級は基本的な法律問題(契約法や労働基準法など)が問われ、2級ではより高度な問題(知的財産、国際取引など)が問われます。2級合格者だけが受験できる1級では、企業活動に必要となるすべての法分野から幅広く出題されます。
試験形式も、2級までがマークシート方式であるのに対し、1級では論述だけとなるため、知識だけで解答することはできず、高度な現場思考力と文章構成力が問われます。そのため、1級合格者は「ビジネス法務エグゼクティブ®」の称号が与えられ、企業法務のスペシャリストとみなされます。
合格までに必要な準備期間や費用は、法的素養の有無によって大きく変動します。大学で法律を真剣に勉強した人や行政書士などの法律資格をすでに有している人ならば、2級までは参考書を使った自学自習だけで十分に合格できます。しかし、法律の学習を一度も経験していない場合は大変です。すべての法律関係の基本となる民法だけでも1000条以上の条文があることから、かなり長期の受験勉強が必要となり、費用もかさむことになります。
ある大手受験予備校のケースですが、2年間かけて本検定の3級と2級の連続合格を目指すコースが設置されています。費用は約7万円と参考書だけの場合に比べてかなりの出費になります。出費を抑えたいのであれば、法律学のベーシックな参考書を1~2年かけて読み込み、基本的な法的素養を身につけてから本検定の学習に取り組むのがおすすめです。

FASS検定(経理・財務スキル検定)

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

中小企業においては、総務担当者が会社の経理・財務を受け持つ例もよくみられます。この経理・財務に関する正確な知識と幅広い理解を証明してくれる資格が『FASS検定』です。この検定は日本CFO協会が経済産業省からの委託を受けて行うものであり、2005年から実施されています。
試験の出題範囲は、大きく資産分野・決算分野・税務分野・資金分野の4分野に分かれます。それぞれの分野はさらに細分化され、たとえば資金分野なら「現金出納管理・手形管理・有価証券管理・債務保証管理・貸付金管理・借入金管理・社債管理・デリバティブ取引管理・外貨建取引管理・資金管理」と多岐に渡ります。
上記4つの大分野、合計24の小分野からマークシート方式で100問出題されるので、1つの小分野からの出題は平均して4問程度です。一つひとつの分野をみると、たとえば「有価証券管理」のように学習すべき範囲が非常に広い分野もあります。その割には平均4問しか出題されないというのは、「学習が成果につながりにくい」試験であるといえます。
本検定は年2回実施されます。試験時間は90分ですので、1問あたりの解答時間は1分未満です。正確な知識と事務処理のスピードが求められます。
本検定の大きな特徴は、結果が合否によって示されるのではなく、獲得点数によって5段階でスキルを評価されるという点にあります。結果が合否で示される場合、合格点から1点不足であろうが、それとも0点であろうが、不合格という点では同じです。しかし点数別のスキル評価では、自分の実力がはっきり出てしまうので結果に対してまったく言い訳できません。
また本検定は「経理・財務サービス・スキルスタンダード普及促進モデル事業」で研究された成果にもとづき、経理・財務実務のスキルを「客観的に測定する」ものであるため、受験予備校などが独自の視点で問題を解説したり、講義をしたりすることができません。そのため、本検定の内容を講義できる受験予備校も限定されており、2017年現在では2校だけです。そのうちの一校であるTACの場合、3時間×11コマの講義で6万円の受講料となっています。

メンタルヘルス・マネジメント検定

【引用元:pakutaso】
【引用元:pakutaso】

「三度の飯より仕事が好き!」という人でも、ストレスとまったく無縁だという例は稀でしょう。農業や漁業のような第一次産業でさえも対人関係に悩む人は一定数います。第三次産業が支配的になりつつある現代社会では、対人ストレスの増大は避けられない問題であり、職場でのメンタルヘルスマネジメントは総務人事担当者にとって重要な課題の一つとなっています。
心を病んでしまった人が、職場から一時離脱するのであればまだマシです。強いストレスを抱えたまま仕事に追われれば、深刻なうつ病を発病することもあり、最悪の場合、社員の自殺につながります。こうなると、本人や家族の無念、業務の停滞はもちろん、企業全体へのイメージにも悪影響がおよびます。
そこで、主に総務人事担当者を対象に開発されたのが、『メンタルヘルス・マネジメント検定試験』です。本試験の出題内容は、3種(セルフケアコース)、2種(ラインケアコース)、1種(マスターコース)の3つのグレードにわかれています。3種と2種の問題は選択式ですが、1種になると論述式が加わり、難易度が上がります。
出題内容をみると、3種では「自分の心の不調を自ら発見し、対処する」という視点で構成されており、一般社員にとって役立つ知識が問われます。2種にグレードアップすると、「職場環境の改善」や「相談の受け方」など、職場でのメンタルヘルス対策に重点を置いた内容となり、各部署の管理職にとって役立つ知識が問われます。1種になると内容は専門化し、メンタルヘルスに関わるスタッフ(人事担当者や経営幹部など)を対象として、「メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割」や「産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進」など、職場のメンタルヘルスを改善するために必要な専門的知識が出題されます。
本試験は原則として市販されている公式テキストから出題されます。したがって、受験勉強もこのテキストを十分に読み込むことが中心になります。予備校の講座等を利用するのは主に1種の論述問題対策となるでしょう。大手受験予備校や商工会議所が3種から1種までの対策講座を開講しており、おおむね3万~5万円程度の受講料となっています。受験勉強は当然のことながら日常業務以外の時間で行うので、合格までに必要となる時間も千差万別です。夜遅くまで残業のある職場だと、平日はほとんど勉強できないので、土日祝日に集中して勉強することになります。「合格するぞ!」という強いモチベーションを維持しなければ、勉強が中だるみになりがちですので注意しましょう。
総務人事担当者は、経験を重ねることで仕事の精度があがることは他の部署とまったく同じです。しかし、扱う業務に関わる法規が広汎であることから、しっかりとした知識も仕事のレベルアップには欠かせません。資格の取得は知識の習得の近道です。ご紹介した3つ以外にも、総務人事に役立つ資格はまだまだあるので、ぜひ挑戦してみてください。

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