GoogleやFacebook、Intelなどアメリカの名だたるIT企業が会社全体で「瞑想」を社員に薦める傾向が増えてきています。アメリカでは「マインドフルネス」といった呼ばれ方もする瞑想。一体、なぜ各企業はここまで瞑想にこだわるのでしょうか。
Appleの創業者でもある故スティーブ・ジョブスが東洋の思想に傾倒し、日頃の生活に瞑想を取り入れていたのは有名な話です。行う度に世界を熱狂させた伝説的なプレゼンテーションの前には、いつも瞑想をしていたと言われています。特に、彼のような経営者は周囲の雑音を一切遮断し、今後のビジョンを描く上で欠かせない行為だったことでしょう。こうしたジョブスの影響で、アメリカではIT企業を中心に「瞑想」というものが徐々に認知されていったようです。
Googleでは2007年に「マインドフルネス」というプロジェクトを立ち上げ、現在では全社員の10分の1にあたる5000人を超えるGoogle社員が日々の生活に瞑想を取り入れていると言われています。頭をフル回転させるIT企業だからこそ、「頭と心を整理する」という意味で広く浸透しているようです。また、瞑想は本来宗教から来ているものですが、宗教色を廃することにより、どのような教徒であっても導入できるようにした事が、成功の秘訣だったそうです。その他、このプロジェクトは書籍「マインドフルネス」を始め、多くの本に「Googleの強さの秘訣」として紹介されています。
瞑想は、ただの迷信ではありません。ワシントン大学やハーバード大学など、世界トップレベルの研究機関により、その科学的根拠が報告されています。その効果は多岐に渡り、ストレスの軽減、仕事効率の向上、集中力の向上、人間関係の改善などが数値の上で現れているそうです。また、最近はIT企業だけでなく、激務で知られるマッキンゼーやゴールドマンサックスなどのコンサルティング企業や金融系の企業も、瞑想を社内に取り入れていると言われています。
「瞑想」と聞くと、少し宗教臭く感じてしまうかもしれませんが、その効果は科学的根拠の裏打ちされたものなのです。現在は多くのノウハウがネットや書籍で公開されているため、一度実践してみてはいかがでしょうか。