毎年無数のビジネス書や経営書が出版されては廃れていきますが、中には長い間時代を越えて読まれ続けているいくつかのベストセラーがあります。組織がある程度の規模になってくると自らの頭で考えられることには限界があるため、本を読み学びを得ることは自ずと必要になってきます。ここで紹介する経営層向けの名著を読み、見識を広げましょう。
「現代経営学の父」と呼ばれたP・F・ドラッカー。数多くの著作を残したドラッカーですが、その中でも特に有名なのが本作です。ビジネス書であると同時に、経営の哲学書でもあり、日本では「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本がベストセラーになるほど多くの事例に活かせる内容になっています。マネジメントとは何か、マネージャーとは何か、マネージャーの資質・役割など数多くの金言が散りばめられた経営層向けの名著です。
経営層向けの本といえば真っ先に名前が挙がることも多いベストセラー「競争の戦略」。
・競合している企業同士の敵対関係
・新規参入の脅威
・代替品の脅威
・顧客の交渉力
・供給者の支配力
のいわゆる5つの力(=ファイブフォース)のフレームワークは、今なおあらゆる業界分析の基礎として根付いています。時代の移り変わりとともに「もうこの考えだけでは通用しない」と揶揄されることもあるものの、それは言い換えると「この考えはすべての基礎」とも捉えることができるでしょう。
「ビジョン(=理念)」の有無が企業の継続的な成功に深く影響していることを膨大なデータから証明したベストセラー。この本は全4シリーズとなっており、すべてを通して読むことでより深く内容が理解できるでしょう。「組織は経営者以上に理念が大切」「時を告げるのではなく時計(理念)を作れ」「ANDの法則」など、組織をマネジメントしていく経営層向けの内容となっています。経営書の中でも基本書と位置づけされる1冊です。
これまで経営層向けのベストセラーが数多く生まれてきましたが、ここで紹介した3冊はその中でも特に多くの経営者に影響を与えてきたものばかりです。現場をしっかりと把握しつつも、こうした本から日々学びを得ることが企業を成長させていくには不可欠といえます。