「フリーアドレス」とは、社員個人に固定デスクを設けず、そのときの仕事の状況によって空いているデスクを各々が判断して使う流動型のオフィス形態のことを指します。どんなメリット・デメリットがあるのかを認識した上で導入に踏み切りましょう。
フリーアドレスの一番のメリットは、オフィスのコスト削減です。特に営業などの外回りが多い部署や企業であれば、日中はほとんどデスクが使われていないという状況が頻発します。そのぶん、フリーアドレスであればそのときに必要としている人だけがデスクを使うため、固定アドレスに比べて無駄な空きデスクを減らすことができるのです。その結果としてオフィスのコンパクト化が推進され、運営コストを削減することができるでしょう。
コスト削減が進むのは、なにも運営費だけではありません。部署やチームでのコミュニケーションコスト削減や活性化といった効果も期待できます。決まったデスクが無いため、他部署や他チームとの交流が自然と生まれやすい環境になるからです。また、固定デスクがないからこそ、急なチームミーティングや情報共有の際はスムーズな集合が可能となるでしょう。結果として、オフィス全体に流動性が生まれ、交流が活性化されるというわけです。
メリットが多いように感じるフリーアドレスのオフィスですが、内勤社員が多い場合にはあまりおすすめできません。というのも、内勤社員が多いオフィスであれば、普段から無駄な空きデスクがほとんど存在しないからです。そのため、毎日自分のデスクを決めるのに心理的な負担を感じたり、一緒のチームメンバーとの連携がうまく取れなくなったりすることもあります。フリーアドレスを導入して逆に効率が落ちてしまうケースもあるのです。
このように、フリーアドレスのオフィスは、企業によって向き不向きが存在します。場合によっては逆効果になってしまうこともあります。導入にあたっては、自社が普段どのようなオフィスの使い方をしているのかを把握してから行いましょう。