企業規模が大きくなるにつれ、自社で対応できる範囲にも限界が出てきます。ある程度の規模になれば、リスク管理の観点からも顧問弁護士と契約する必要があるでしょう。顧問弁護士の選び方には、どんなポイントがあるのでしょうか。
弁護士事務所と一口に言っても、相続関係専門、刑事事件メイン、IT系に強いなど、それぞれの事務所によって特色があります。いくら優秀な弁護士でも、すべての分野をカバーすることはできません。まずはその弁護士事務所が得意とする分野を知っておくのが選び方のコツです。また、「大企業の法務部に詳しい」や「中小企業のトラブル解決に実績がある」など、弁護士事務所によって得意とする企業規模に違いがあるので、その点も注意しておきましょう。
これは基本的なことですが、レスポンスの早さや情報の正確さは弁護士の選び方で重要なポイントです。もし何かトラブルがあった場合、素早い対処をしなければ事態はどんどん悪化していく可能性もあります。そのため、契約を結ぶ前からレスポンスが遅い弁護士は、いくら有名な事務所であっても候補から除外するのが得策です。また、「情報の正確性」は、一歩間違えると企業にとって致命傷になりかねません。「業界ではこうだから」といったような感じで、こちらの質問に対して詳しい説明をしない弁護士も避けるようにしましょう。
弁護士の選び方でもっともてっとり早いのは、信頼できる同じ業界の知人に紹介してもらう方法です。良い弁護士や弁護士事務所は、それまでの実績や口コミで多くの仕事が舞い込んでくるため、派手な広告を打たない所もあります。そのため、ネットではあまり情報が出てこない場合があるのです。そういった隠れた名弁護士を見つけるには、信頼できる知人に紹介してもらうのが一番の近道です。ただ、あくまで「同じ業界・分野の知人」でないとあまり参考にならないため、その点はあらかじめふるいにかけておきましょう。
弁護士の選び方は、基本的なレスポンスの早さはもちろん、自社の業界や分野、そして企業規模を相手の事務所が得意としているかどうかが非常に重要になってきます。良い弁護士事務所はネットに情報があまり出ていないこともあるため、信頼できる知人に声をかけてみるのもよいでしょう。