マネジメントは上司が部下に一方的にするものではありません。場合によっては、部下が上司に対して行うこともあります。もし、今の職場で上司と上手くいっていない人は、ボスマネジメントの基本を学んで状況の改善に努めましょう。
ボスマネジメントの基本の考え方は、「上司を目的達成のための手段・ツールとして捉える」ところから始まります。上司は指示を与えてくれるだけの存在ではなく、自分の提案や意見を会社に通したり、自分ではできない範囲の調節などを行ってくれる存在なのです。また、性格的な問題は簡単に治るものではありません。そのため、上司の人間性の部分を嘆くのではなく、「どうすれば自分の上司(資源)を最大限活用できるのだろうか」という視点を常に持つことが大切になってきます。
上司によって仕事の仕方は様々です。細かい部分までマネジメントしたがるタイプ、成果だけ挙げていればあとは放置のタイプなど、自分の上司はどのタイプなのかを知りましょう。そして、大事なのは自分がその上司の仕事の型に「合わせる」ということです。関係を築く前に仕事のやり方にあれこれ口を出しても反発を招いてしまうだけ。まずは自分が上司に合わせて、関係を築き、その後徐々に自分が効率の良いと思う方法を上司に提案していくようにしましょう。
あなたの上司はどのような状況で一番力を発揮するタイプでしょうか。社内関係の調整、新規事業の立ち上げ、仕組みの確立など、上司にはそれぞれ得意な分野や仕事内容があるはずです。その分野に集中してもらうために、自分は上司が苦手な分野を補うようにしましょう。そうすることによって、結果的に部署の生産性は上がり、上司からしても「この部下(あなた)と仕事をすれば成果が挙げられる」と思ってもらえることでしょう。もし、自分の苦手分野と上司の苦手分野がかぶってしまったときは、その部分を補う人物を提案するのもボスマネジメントの一つです。
ボスマネジメントは、まず上司を自分にとっての資源と捉えることから始まります。上司を知り、上司に合わせ、関係を築きながら、上司が力を発揮できるような環境を整えるように心がけてみてください。そうすることによって、自ずとあなたの評価も上がっていくはずです。