働く人々のモチベーションアップにもつながる機能性の改善や職場の雰囲気を変えるために、オフィスのレイアウトを変える必要も出てくると思います。移転はせずに建物はそのままでレイアウト変更をする場合も、現在の問題点を洗い出すことから始めましょう。レイアウト変更において参考にできるデザインの実例を交えて、ここでは洗練されたオシャレなオフィスレイアウトを紹介したいと思います。
従業員はもちろん、取引先やお客様を迎える企業の顔でもあるオフィスにはどんな空間、エリアが必要か見直してみましょう。
会社の大小にかかわらず、受付・エントランス、会議室、執務室、応接室、フリースペース、倉庫・書庫、役員室などが必要です。各空間を結ぶ動線を考慮しながらレイアウトデザインを決めていきます。
企業のコンセプトやイメージカラーを取り入れたオシャレなデザインを作り上げるなら、専門のレイアウトデザイン会社にお願いすると良いでしょう。イメージするオフィスのデザインがかたちになるように、様々な実例を参考にしてみることも必要です。
小規模オフィスの場合、ワンフロアでもパーテーションなどの間仕切りを効果的に使えばガラッと雰囲気を変えることができます。
最近では受付に人をおかず、タブレットなどをシンプルに配置しながらもセキュリティやスムーズな受付機能を実現できるレイアウトも増えています。
また、会議室でも会社の社風や業務内容によって色々なパターンが考えられます。席の配置や稼働性などを考えミーティングやセミナーにも使えるようにしたり、空間が無駄にならない工夫をしましょう。
オフィスレイアウトを一新するには業務に合ったワークスペースを作り上げることが肝心です。
海外の企業や国内のベンチャー企業などが取り入れている流行のオフィスデザインには以下のようなポイントがあります。
・フリーアドレス制
オフィスに個人の決められた席をあえて作らない「フリーアドレス」は、1990年代後半から日本でも取り入れられはじめました。営業などで外出する社員が多い会社では日中不在にしていることも多いので、全員分のデスクを必要としないこともあります。フリーアドレスのデスクをいくつか用意しておけば、そのぶん場所を取らずにスペースに余裕ができます。これはコスト削減という面だけでなく、様々な部署の社員のコミュニケーションの活性化にもつながります。
・フリースペース
新しいオフィスレイアウトを実現するなら、社員がリラックスしたりコミュニケーションの場として自由に過ごせる「フリースペース」を導入することが理想的です。社員のモチベーションアップに欠かせない重要なポイントです。フリースペースは思い切って遊び心のある空間づくりをしている企業も多数あります。
・カラーやインテリア
レイアウト変更に使える予算は限られていますし、何回もできることではありません。インテリアの使いやすさや快適さ、質の良さなどにもこだわって選びましょう。企業のイメージカラーやデザインコンセプトにあったインテリアコーディネートをすることも大切です。内装デザインが成功すると社員のモチベーションも高く保つことができます。
こちらは、フリーアドレスを導入しているオフィスのデザイン事例です。
業務に応じて最適な場所を選んで仕事ができるようにレイアウトが工夫されています。本棚や個人ロッカーなどを上手に配置して空間に仕切りを作り、カフェスペースや集中して仕事ができる個人ブースも設けてあります。業務内容をきちんと把握したうえで、他の部門との密なコミュニケーションが必要となるサポート部門のデスクを中央に設置し、業務の連携がスムーズになるよう配置しています。このように働きやすさを追求しながら会社の業務の特性に見合ったレイアウトを考えることが重要なポイントです。
フリーアドレスを導入する場合、一般的なデスクだけではなく窓際のベンチやソファー、何人かで使えるテーブル席、集中できるフォーカスブース、スタンディングスタイルなどバリエーション豊富なワークスペースを作ると、社員が自分でその日の業務に適した場所を選ぶことができます。また、フリーアドレスにすることによって人員の増減にもフレキシブルに対応することができます。
しかし、フリーアドレスは業務によって向き不向きがあるので、初めて導入する場合は綿密な準備と社員の意識変革も必要となります。快適に業務を行うことができなければ導入する意味がありませんので、全ての社員が自分の席を排除するということに納得できているかも事前に確認しましょう。
こちらは、3つの企業が新たに拠点を統合する際に導入したレイアウトの事例です。
会議室の壁面と床にそれぞれのコーポレートカラーを使い、企業の垣根を越えたコミュニケーションが実現する空間を演出しています。
椅子ひとつにしても背もたれのある椅子や長椅子、背もたれのない椅子、折りたたみ椅子などたくさんの種類があります。会議室の椅子には長時間の話し合いでも疲れを感じにくいデザインチェアを使ったり、ゆったり話すことができるソファーを配置するなどインテリアにも用途にもあったものを使いましょう。
また、会議室をミーティングやセミナールームとして使うこともあるかもしれません。いくつか広さの違う会議室を作ったり、ミーティングスペースの一角にスタンディングスタイルの社内会議室をおき、アグレッシブな議論の場を作るという発想もあります。
会議室のレイアウトでは席を対面・コの字・円卓または四角にする・スクールのように演台に向かって席を並べるなどいろいろな配置方法があります。この席の配置の仕方によって議論を重視するのか、報告やプレゼンテーションに向いているのかなどの向き、不向きがあります。会議室の用途や広さに付随して、黒板やホワイトボード、プロジェクターなどの設置も考えましょう。
こちらは、新たにリフレッシュできるフリースペースを導入したレイアウトの実例です。
受付や会議室は重みのあるフォーマルな印象で作られていますが、社員がリフレッシュできるフリースペースにはカフェテリアをイメージしたレンガや木目を使った温かみのある内装をし、仕事モードからほっと気持ちが入れ替えられるよう工夫をしています。
窓際のカウンター席やテーブル、ホームファニチャーなどの他に冷蔵庫や自動販売機、電子レンジを配置したシンプルなレイアウトです。ソファーゾーンではさらにリラックスして会話ができます。それまでこのようなリフレッシュスペースがなかったオフィスには、社員のモチベーションアップが期待できるデザインとしてフリースペースの導入をおすすめしたいです。
働く人のコミュニケーションの場として新たにフリースペースを作るなら、多目的スペースとしても使えるようにするのが良いでしょう。家にいるようにくつろげるリビングのようなスペース、食事をするためのダイニングのようなスペースなどコンセプトをもってデザインしましょう。
社内の活性化にも大きく関係するフリースペースですので、社員への事前のヒアリングもしておきます。せっかく作ったフリースペースなのに、利用する人があまりいないようでは意味がありません。徐々にでも人が集まり活気ある空間となるよう素敵なフリースペースを作りましょう。
ここではオフィスレイアウトを変更することで業務の効率が上がり、社員のコミュニケーションがより活性化したという実例をご紹介しました。オシャレなデザインなら一層社員のモチベーションが上がり生産力も向上すること間違いなしです。現在のオフィスの問題点を洗い出し、新しいオフィスではそのすべてがクリアできているようなデザインをじっくりと考えましょう。
【オフィスレイアウト実例:株式会社MACオフィス】