オフィスの移転が決まったら、希望の物件を探すために不動産会社選びをしなければいけません。不動産会社にも大小色々なタイプがあり、それぞれの良さがあります。ここでは移転の成功の鍵となる良い物件を探すために力になってくれる優良な不動産会社を見つけるにはどのようなポイントがあるか、不動産会社の選び方について考えてみましょう。
オフィスを構えたい場所がおおまかにでも決まっているのなら、インターネットで沿線や駅名から物件や不動産管理会社を探すことができます。ある程度それで目処をつけてから、実際にその周辺の不動産会社に行ってみるのが良いでしょう。
大手の不動産会社は店舗数も多く、広範囲にわたるネットワークが売りですが、その反面地元密着の小さな不動産会社の持っているような掘り出し物件は少ないといえます。それぞれのメリット、デメリットについては後の項で詳しく書いていきます。
物件探しを駅周辺にあるような不動産会社でしようとすると、住居用の物件を扱っているのがほとんどで、ビルの仲介をしている会社はあまり多くありません。労力や時間を考えるとインターネットを利用して物件探しをするのがもっとも近道と言えます。賃貸オフィスビルの仲介を行っている会社のホームページでは比較的詳しい条件でオフィスの検索ができるので、問い合わせに対して迅速に返答してくれる会社を見つけましょう。できれば、不動産探しから移転作業、オフィスプランニングなどオフィス移転をトータルに扱っている会社が安心で、話もスムーズに進むのでおすすめです。物件データを数多く持っている会社なら実際に問い合わせてみるとホームページに掲載されていないような物件も紹介してくれます。
インターネットで物件を探せる不動産会社では、まずは希望のエリアで検索をかけるようになっています。エリアの中のさらに詳しい地域選択、沿線や駅名などを検索条件で詳しく指定できる場合もあります。次に希望のオフィスの面積、築年数、坪単価や月の総額賃料など大まかな希望で検索することができます。実際のところ、ネットで検索できるのはビルの住所や外観の写真、大きさ、築年数や最寄駅からの所要時間、階数や面積といったところで、賃料に関しては「応相談」と記載されている場合が少なくありません。さらに詳しい情報としてオフィスを24時間使用できるかどうかや空調設備のタイプ、セキュリティ情報、駐車場の有無などが記載されていることもあります。したがって物件探しをする前にそれらの条件についてきちんと希望要件をまとめておく必要があります。まずは立地条件、築年数、広さ、賃料、空調は各階が個別になっているか、オフィスの利用は24時間できるほうがいいのか、OAフロアはついているか、光ケーブルは引き込みしてあるのか、引き込み可能か、警備体制はどの程度かなどを考えておきましょう。
また細かいところは後回しにするとして、ひとまず移転先の希望エリアや移転時期、坪数や予算などを伝えて、あとは不動産会社に探してもらうという方法もあります。その場合は社名や移転担当者の連絡先などをメールで送って連絡を待つ、という形になります。
移転先のオフィス物件を探すための不動産会社には、大きく分けて2つの業務があります。
まず、顧客の希望にあった物件探しから契約までを行う「賃貸仲介」という業務です。仲介を行う不動産会社はたくさんの会社から斡旋を依頼されている点でエリア内の紹介できる物件の情報数が多いというメリットがあります。また不動産会社の業務にはもうひとつ、オフィスビルのオーナーから管理を依頼されて建物の維持のための管理や賃貸料金の回収などを行う「賃貸管理」があります。不動産管理も行う会社はビルのオーナーと直接関わっているので管理物件について非常に詳しいです。両方を行う不動産会社もありますし、仲介だけを行う不動産会社もあります。
住宅を探す場合も同じですが、賃貸オフィスを扱う不動産会社にも規模の大小があります。支店がたくさんあるような不動産会社は広範囲にわたって物件探しをするのに便利です。その一方で大手という安心感はありますが、会社の方針や規定がしっかりある分、融通がきかない場合もあります。地域密着型の小さな不動産会社は地元情報に長けているうえ、掘り出しものの物件が見つけられることも多いですが、エリアを広げての物件探しなどには向いていません。まれにチラシやネットで公開されている情報と実際の状況が異なるといったトラブルがおこることもあるので注意しましょう。
不動産会社に物件探しをしてもらうにあたり、あらかじめ知っておくべきことがいくつかあります。
まずは物件の面積のなかで実際にオフィスとして使用できる有効面積、つまり専用面積がどれぐらいあるかということです。また、面積だけでなく、天井高や柱の位置もレイアウトに大きく関係してきます。これら全てを自社でチェックして決めていくのは非常に困難ですので、コンサルティング会社やトータルでオフィス移転を請け負っている会社に依頼するのもおすすめです。
移転契約時に記載されている契約面積はエレベーターや給湯室、トイレや配管スペースなどの他のテナントも使用する共有スペースが入っている場合があります。それ以外にも、借りたいと思っているビルに入っている他のテナントもチェックしておきましょう。それによってある程度ビルのグレードもわかります。
希望しているエリアのオフィスの市場を不動産会社からしっかりとリサーチしておくことも肝心です。それが条件の交渉をするべきか、賃料に見合った物件かどうかの判断材料となります。また、移転先の条件をきちんとまとめることと同時に、移転の目的をしっかりと不動産会社に伝えられるようにしておきましょう。何のための移転か、ということが物件探しに大きくかかわっていきます。すべての条件を満たす物件があるとは限りません。移転の目的に合った条件の優先順位をしっかりと決めておき、失敗のない物件選びをしましょう。
そして、候補に入れておく物件は実際に足を運んで周辺環境やビルの設備を確認しましょう。
オフィスの移転が決まったら、まずは現在のオフィスの問題点や今後改善する点など移転の目的を明確にし、それが実現できる物件を探さなくてはいけません。不動産会社には希望の条件を伝えるとともに、移転の目的がきちんと果たせるような物件を探す手助けをしてもらいましょう。オフィスの移転をトータルで請け負っている会社なら、不動産探しからオフィスプランニング、移転作業もスムーズに進みます。