オフィスの中が雑然としていると仕事のモチベーションだけでなく、情報の管理不足・流出などの問題が起き、セキュリティ面でもリスクを伴います。しかし、企業の中には、職業上などの理由から資料の量がとても多く、資料の収納に苦労しているオフィスが多く見られます。オフィスで扱われる資料の多くは守秘義務のあるものや個人情報が記載され、厳重に保管しなければならないものです。
では、オフィスでは大量の資料をどのように収納しているのでしょうか。資料が多いオフィスのレイアウトに着目して収納方法をまとめていきます。
オフィスにある資料の基本的なものとしては、お客様情報や会議資料などの書類をはじめとし、企業が業務に参照する資料やお客様に提示する資料など、守秘義務のあるものから持ち出し可能の資料まで幅広い資料がオフィスに溢れ返っています。そんなオフィス内の資料はどのように保管されているのでしょうか。
現在では、情報のデジタル化が進み、紙の資料だけでなく、PCやタブレットを通じて情報の交換ができるようになりました。しかし、そうした時代の中にも保管が必要になる資料はたくさんあります。
例えば、不動産関係のオフィスでは多くの物件情報、お客様情報が管理されています。お客様に物件を案内する際も、紙に物件情報を印刷したもので説明を行ない、お客様に物件を紹介していきます。バインダーやファイルなどに地域ごとに分けて管理している企業もありますが、入れ替わりの多い物件情報を管理するのはとても大変です。また、お客様情報のように第三者に見られてはいけない書類は、紹介する物件情報とは別に管理する必要があります。人に見られてもいい情報、見られてはいけない情報を確実に分けて保管しなければなりません。
オフィス内にある大量の資料を保管するためには、区別して置くための仕切りと資料を置く場所・スペースが必要です。上記のような不動産関係のオフィスでは、不必要になる情報も多く、断捨離を繰り返しながらオフィス内の大きな棚などに整頓していることが多いです。しかし、資料が多く、収納庫をオフィス内につくる企業もたくさんあります。オフィスでは、資料の収納テクニックを活用するだけでなく、オフィス内のレイアウトを変更することで資料の整理をするのです。
オフィスの資料を収納するためには大きく分けて2つの方法があります。
1つめは、限られた現状のオフィス内で資料を整頓し、コンパクトに収納する方法です。ここでは、3つの資料の収納テクニックを使います。
1.書類整理で不要なものを溜めない
情報のデータ化が進む中でも紙の資料が多いのが現状です。そのため、「必要・不必要の見極め」、「取り出しやすさ・しまいやすさ」を重視した書類整理が必要です。書類は積み重ねず、立てて置くことが鉄則です。また、デスク周りでは、書類の進行や処理の流れに合わせたつくりにすることが大切です。進行中・処理済み・保留など資料の区別を確実に行なえるデスクにすることで業務がスムーズになります。
2.引き出しなどは細かい間仕切りを活用
整理整頓の代表と言える引き出しのようにごちゃごちゃになりやすい場所は間仕切りをつくることが大切です。
3.オフィス内で片づけの習慣化を行なう
資料の個人管理だけでなく、企業全体で整理整頓・片付けを行なうオフィスがあります。月に1度など、オフィス内で決まった日に片付けを行うことで、整理整頓が習慣になります。
上記のように整理整頓を心がけたオフィスの使い方をすることやその他便利グッズなどによりオフィス内で資料の収納を行ないます。
2つめは、オフィス全体のレイアウトを資料の収納重視に切り替える方法です。什器の配置変更やパーテーションの設置から資料の収納庫のスペースをつくるなど、資料の収納に合わせてさまざまな規模のレイアウト変更があります。
オフィスのレイアウトを考える企業の悩みに多いのが収納スペースです。限られたオフィス内でいかに効率よくレイアウトを行ない、業務をしやすいオフィスにするかはとても大切です。オフィス移転やレイアウト変更をすることでオフィスの収納が混乱せず、業務や作業を進めやすい環境をつくることができれば、資料の管理や分業がしやすくなり、企業にとって大きなメリットになります。
オフィスレイアウトの事例として、オフィスデザインやプランニング、施工を行なう株式会社MACオフィスの実例を紹介します。
大阪市にある特許事務所のオフィス移転の事例です。この企業は、オフィス移転に対し、「業務上、資料や書類の量が多く、オフィスの収納システムについて見直したい」という要望を持っていました。
お客様情報を多く扱うこの企業には、お客様別にファイリングする大量の書類の保管場所を確保するため、スライド収納庫で移動書庫を提案しました。また、頻繁に使用する書類関係は壁面収納庫を採用、書類の使用頻度や使用用途に合わせて収納場所や収納方法を変えることをポイントとしています。そして、資料の情報を扱う中で、オフィス内でのセキュリティ強化のために遮音を考慮したパーテーションでミーティングスペースをつくりました。
このようにオフィスデザインの中に資料の収納性を組み込むことで、限られたオフィス空間の中でもそれぞれの企業に合った収納方法を見つけることができるのです。
実例を見てみる 【株式会社MACオフィス・オフィスプランニング丸池】
企業にとって資料はなくてはならないものです。紙だけでなく、本やファイル、サンプル品など業種や部署によって資料内容も変わります。オフィス全体で管理する資料を使用頻度や用途に合わせて収納場所や収納方法を変えることで、使いやすさや片付けに大きく影響します。
オフィス内の収納グッズを活用した収納テクニックからオフィスのレイアウト変更まで、資料の収納に着目することで、業務のモチベーションや効率にメリットをもたらすかもしれません。