かつては働くための「箱」でしかなかった、日本企業内におけるオフィスの扱い。しかし近年ではIT業界やベンチャー企業などの隆盛、働くことに対する考え方の変化によって、従業員が働きやすいオフィスというものが真剣に考えられてきました。その結果、見た目にも鮮やかで働きがいのある、デザイン性に富んだオフィスが次々と開発されてきたのです。もちろんオシャレなだけでなく、機能性にも優れた設備もたくさんあり、どういったものがあるのか気になるところではないでしょうか。今回はそういった設備の数々を紹介していきます。
まず、オフィスをオシャレにしつつ、仕事のしやすい機能的な空間を作り出すためにはどういったことが必要なのかを検証していきましょう。その条件は大きく2つに分かれます。
1:可能な限り開放感を持たせ、さらに明るい雰囲気を出すこと
オシャレというコンセプトを重視しすぎて、あまりにも荘厳すぎる、芸術的なオブジェなどをオフィス内に置いてしまうと逆に雰囲気が重苦しくなり、物によっては大きすぎてかえって仕事上の邪魔になってしまう(社内の移動がスムーズにいかなくなるなど)という、本来の目的との矛盾が生じてしまいます。アピールしすぎず、かつ従業員の心の癒しになるような設備を効果的に配置しましょう。
2:仕事一辺倒でなく、気持ちの切り替えがしやすく、かつアイデアが出やすい空間の創出
1日オフィス内で仕事をするうえで、どうしても必要となってくるのが休憩時間。人間、四六時中働いていては能力も落ちてしまうので、回復できる時間が欲しいところです。単純な休憩場から一歩進んで、デザイン性に富んだリフレッシュスペースを創出することはその大いなる助けとなり、またさらなる創作意欲も湧いてきます。実際IT業界などは、ビリヤードや卓球など、休憩時間に童心に帰って遊べる遊技台を設置しているようです。
従業員が仕事をするうえで最も基本的な設備として、個人個人が使うイスやデスクがあります。特に内勤で働く人にとっては、オシャレであり、かつ機能的であれば毎日の仕事も疲れを感じず充実したものとなるでしょう。その具体例を紹介していきます。
まずはイスです。オカムラ社が開発している「コンテッサ」は、背もたれに身体をあずけると座っている面も連動して動く機能を有しており、後傾姿勢で仕事をする人にとっては常にリラックスした状態で仕事ができる優れものです。同じくオカムラ社が開発している「バロン」はデザインがシンプルで「コンテッサ」に比べると値段も安いですが、人体力学に基づいた構造となっており、自然と体が疲れにくい態勢に持っていってくれます。もちろん、両者とも機能的であると同時に、オシャレな見た目になっています。
次にデスクです。「at!デスク」は、デザイン賞を受賞したこともあるほどオシャレなデスクです。しかしながら実態は、使いやすさを徹底追及した優れものです。小箱収納部分や引出しがついていて収納性に長けており、オフィス内の省スペース化にも貢献します。「TABLET and PC DESK」は、2台以上のパソコンを業務上使用している人にオススメです。見た目にもオシャレなL字型のデスクにはキーボード収納トレーとタブレットスタンドがついており、機能性にも優れています。
オフィス内で仕事をするうえで、紙の書類は大量発生するもの。デスク上などを散らかさないよう、なるべく一か所に収納しておきたいものですが、そんな収納関係の設備にもオシャレかつ機能的なものがあります。以下に紹介していきましょう。
まずはMUJI社の「透明性のアクリルケース」です。デスクで仕事をするうえで、机上は書類を始めとして文房具など、どうしても乱雑になってしまいがち。どこか一か所にまとめておきたいものですが、机上は面積の制限もあるので、なるべくコンパクトな収納ボックスを置いておきたいものです。そこで役に立つのが透明性のアクリルケース。デザイン性に富んだものも発売されていますが、何といっても透明なのでどこに何があるか一目瞭然ですし、物を探す手間が省けるので仕事も効率的に行えます。
オフィス全体で発生する書類をまとめるには、IKEA社の「ファイルキャビネットERIK」がおすすめです。もともとIKEAはオシャレな家具の製作に定評がありますが、この製品もスタイリッシュなデザインであり低価格、また機能面においても書類を分類、管理しやすく、さらに鍵付きなのでセキュリティ面も安心です。
これまでは主にオフィス家具においてオシャレで機能的なものを紹介してきましたが、その他にはどういった設備があるのかを考えていきましょう。
まずは、先ほども紹介した休憩室=リラクゼーションスペースです。リラクゼーションスペースは大いに工夫の余地があり、ある意味企業のオシャレセンスが問われているといっても良いでしょう。見た目にも楽しい、オシャレな家具に囲まれながらお茶を飲むのはもちろん、ソファに座ってちょっと昼寝をしてみたり、読書をしてみたり……。片隅にイスやデスクなどを置いておけば、ちょっとした打ち合わせも可能です。十分なリラックスタイムを過ごすことができれば、さらに生産性が上がるというメリットもあるでしょう。
フリードリンクが楽しめる機器や、カフェスペースもオフィス内をオシャレで機能的なものにすることができます。ただ単に自動販売機を置くのではなく、ポイントとなるのは「無料で好きなように楽しめる」ということ。近年では、カセット式サーバーを安価な値段で提供しているコーヒー専門メーカーも多いので、ぜひ利用してみましょう。オフィスにおけるシーンがオシャレなものに一変するかもしれません。
以上見てきたように、オフィス内をオシャレに彩る手段にはさまざまなものがあります。オシャレな見た目だけでなく、機能的でもある設備を設置していけば、そこで働く従業員のモチベーションも上がり、生産性も向上することでしょう。