オフィス内において快適に仕事を行うために、レイアウトを工夫するということは一つの手段となります。デスクの配置を変えてみたり、スペースを広く作り出すといったことがその代表的なものといえ、気分転換にもなり仕事にさらに精が出ることでしょう。また、オフィスの壁紙を変える、ということも単純に視覚的効果が見込めます。仕事の効率化につながるような壁面装飾の施し方にはどういったものがあるのか見ていきましょう。
戦後日本は高度経済成長により急速な発展を遂げてきました。しかしながらそこには、元来勤勉な日本人が周りの仕事環境も気にせず、1人1人がただひたすら利益を求めてきた結果という実態があったのです。極論を言えばオフィスは仕事をするための「箱」。最低限の仕事に必要なものさえ揃っていれば、オフィス内のデザインなどは二の次、三の次の課題、といった雰囲気がありました。
ところが1990年代初頭のバブル経済崩壊を機に、働き方に関しても根本的な見直しを迫られるようになったのです。企業で働く従業員は単なる駒、という考え方から、従業員が快適に仕事をできる環境を創出することの必要性が声高に叫ばれるようになりました。その結果2000年代に突入してからは「オシャレなオフィス」が徐々に誕生するようになり、働き過ぎによる過労死、自殺と言った問題は依然横たわっているものの「従業員ありきの企業」という考え方は着実に浸透しつつあります。
「オシャレなオフィス」の現出には、芸術的なオブジェを置いてみたり絵画を掛けてみたりといったものから、ユニークなデスクレイアウトまで様々な形があります。そして、壁紙を一斉に貼り換える、ということもその一つに入ります。
さて、それではオフィス内にオシャレな壁紙を装飾することの意味合いを考えてみましょう。
壁紙は、デザインによってはオフィス内の雰囲気を一変させる可能性を含んでいます。従業員が普段仕事をしている時でも目線の中に自然に入ってくるものなので、オフィス内にマッチした壁紙であれば過ごしやすさを感じたり、やる気を促し仕事の生産性アップにもつながる場合が少なくありません。
オフィスが賃貸であり、壁紙を変えるのは難しそう……と考えることもあることでしょう。確かに「人から借りている部屋」なので、むやみに内装を変えるのは抵抗があるかもしれません。しかしながら、実態は貼り換えも可能なところが多く(工事が比較的簡単に済むこともあり)、許可が出やすいのです。
そうしたことを踏まえて、壁紙には具体的にどういった種類があるのか、次に見ていきます。
最も代表的なのはビニールクロスです。表面加工にバリエーションが多く、また耐久性に優れているので汚れが目立ちません。次に紹介するのは紙クロスです。欧米企業で主流となっており、購入には海外から取り寄せる必要がありますが、防音性に優れているので騒音対策に最適であり、現在導入する企業が増えています。タイル壁はデザイン性に富んでおり、劣化しても1枚単位の貼り換えとなるのでコストがかかりません。
先ほど挙げたように、壁紙にはいろいろな種類がありますが、オフィス内のレイアウト、そして何よりも企業イメージに合ったものを選ばなければ単なる奇抜なデザインとなってしまいます。その結果、逆に外部に悪い印象を与えたり、何よりもそこで働く従業員のモチベーション低下につながりかねません。どのような壁紙が最適なのかは慎重に検討、シミュレーションをする必要があります。
例えば、落ち着いた、シンプルな雰囲気を醸し出したいと思った時にはグレーの壁紙などが最適です。クール、かつスタイリッシュな空間となり無駄なものが一切ない、仕事に集中できる環境を作り出せるでしょう。環境に配慮している企業であれば、グリーンや木目調の壁紙がおすすめです。ナチュラルな空間が演出され、自然色豊かなオフィス内の雰囲気によって快適に仕事ができるでしょう。デザイン系の会社やIT企業など、クリエイティブな環境下にあるオフィスには、カジュアルな雰囲気をもたらす壁紙装飾が適切かもしれません。赤や青など明るい色を効果的に配色すれば、創造意欲も沸くことでしょう。
以上の様な壁紙装飾は、あらかじめシミュレーションできるサイトなどもあるので、積極的に利用して理想の装飾を目指していきたいものですね。
専門サイトなどで実際にシミュレーションをしてみた後は、いよいよ実際の壁紙貼り換え作業に移るわけですが、具体的な手順を紹介していきましょう。
まずは後悔のないように、シミュレーションをするだけでなく実際に販売店に赴いて、材料となる壁紙の大きさや質感などを体感しましょう。それによって微妙な違いを感じ取ったり、新たな候補が見つかるかもしれません。
適切なものを見つけたら購入をし、実際に貼り換えをしますが、業者に頼む方法、自分達で貼り換えをしてしまう方法の2通りあります。コストを抑えたいときは自分達でやってしまう方が効率的ですが、オフィス内が広かったり、貼り換えをしている時間があまりない、と言った時は業者に頼むようにしましょう。
業者に頼む場合の手順は次のようになります。
1:見積もりをとってもらい、貼り換えの予定日を決める。
2:オフィス家具を移動し、貼り換えの準備を行う。
3:古い壁紙をはがし、下地が痛んでいたらその部分の補修を行い、新しい壁紙を貼る。
4:最終確認をし、OKであれば最終的な契約完了となる
以上の手順は、大体において2日くらいの期間が必要となります。ここで注意しておきたいのは業者選びであり、スピーディーに進んでも「仕事がいい加減」な場合があります。後になって新しい壁紙がはがれてきたりする事態だけは避けたいところなので、業者の選定は慎重に行いましょう。
いかがでしたか。オフィス内の雰囲気を一変させる可能性を秘める壁紙装飾は、今後の企業において、従業員の生産性を高める上で重要な要素となります。企業の雰囲気に合わせて最適な壁紙をチョイスし、普段の仕事に影響の出ることのないようスピーディーな変更を成し遂げましょう。