企業が営利活動をするとき、拠点を決めることは一つの大事な作業となります。具体的には、騒音が少ない、狭苦しさを感じないなど、良い環境下で働くことのできるオフィス(並びにオフィスビル)を探すことが、従業員の生産性を上げるうえで重要と言えるでしょう。今回は、ポイントをいくつか挙げていくことで、最適と思えるオフィスビルというものを探っていきたいと思います。
環境が良く、従業員の生産性を上げるのに最適なオフィスビルというものを考えるとき、まず真っ先に検証すべき事項はその立地条件となります。すなわち、最寄り駅から徒歩で通えるくらい近い場所か、周辺に繁華街はあるか、(繁華街があったとしても)周辺は騒音も少なく静かな場所か、といった条件が挙げられます。
最寄り駅から近いオフィスビルであれば、朝の通勤時に徒歩で来る従業員も多い中、余計な労力をかけることなく、すぐにオフィスに到着して仕事を始められます。また、取引先の人間が自社ビルを訪れるときに迷わず到着できる(負担をかけない)といった利点もあります。
周辺に繁華街があるかという立地条件に関しては主に、従業員のことを考えた重要なチェックポイントとなります。仕事終わりに「アフターファイブ」としてお酒などを飲みに行くときに、近場であれば気軽に立ち寄れてストレス解消の一環になりますし、デパートなど買い物ができる施設があれば特にOLにとっては会社帰りにいろいろと買って帰るという楽しみが生まれます。
最後に周辺の騒音に関する環境も考慮に入れたいところです。車が頻繁に通る大通り沿いだと自然とうるさい環境になってしまいますし、同じビルに入居している企業の「職種」によっては、壁を隔てて仕事上発生する音に悩まされるかもしれません。そういった部分においてもあらかじめ調査はしておきたいところです。
オフィスを移転する際に当然発生するのは各種コストです。何件かオフィスビルを調査し、最も安く、かつ最適と思える場所に移転することは企業の経営状況を圧迫しない、といった意味において利益追求に欠かせない要素と言えるでしょう。それでは具体的にどのようなコストを考慮に入れればよいのでしょうか。
まずは、入居することにより発生する「賃貸契約」に関するコストです。これには、保証金、敷金、礼金、仲介手数料といったものが考えられます。個人で引越しをする時などにもよく聞く、なじみの深いコストではないでしょうか。ビルのオーナー(仲介手数料は物件を紹介してくれた不動産業者)に払うものとなります。
次に、共益費(管理費)と呼ばれるコストがあります。これは、その名の通り管理に関する諸経費のほかにも、エアコン(冷暖房)に関する空調費、共用で使う部分に関しての光熱費といったものになります。いずれもオフィスを快適に利用するために欠かせない要素と言えるでしょう。
もちろんオフィスビルによっても違ってくる費用ですが、こうした各種費用が果たしてどれくらいのコストとなるのか、自企業の経営状態と照らし合わせて最適と思えるビルを選別するようにしたいものです。
従業員が快適に仕事をする上で、居住しているオフィスビル内の環境がポイントとなるのは言うまでもありません。具体的にどういった部分にチェックポイントがあるのかを見ていきましょう。
まずは、空調、照明関係です。夏の暑い時期や冬の寒い時期、空調をフル回転させなければ従業員の健康にもかかわる問題となります。基本的にちゃんと作動するかどうかを確認するのはもちろん、フロア全体に行き届くようなレイアウトとなっているか、特定の席に過度に空調が当たらないか、なども精査しましょう。照明に関しても同様で、特に太陽光があまり届かないような場所にある時は気にしなければならない部分です。蛍光灯を使用している場合は即座に取り換えが可能かよく確認しておきましょう。
次に、トイレや給湯室です。トイレに関しては使用頻度の高い設備なので、様々な角度から満足のいくものであるかどうか調べておきましょう。フロア内にあるのか、それともオフィスビル共用のものなのか、和式か洋式か、女性であればメイクをできるスペースがあるか、といった部分がチェックポイントとなります。給湯室に関しても、設備がきちんとしているか、従業員が気軽にコーヒーやお茶を作れる場所となっているか、そしてお客様が来た時にすぐにお茶を出せるような体制が整っているかを確認しましょう。
その他にもまだまだオフィスビルにおいてチェックすべき設備のポイントはあります。検証していきましょう。
まずは、パソコンやFAX機、電話機など、ネットワークが重要となっている現代の業務シーンにおいて、回線関係が整備されているかを確認します。特にFAX機は負荷が大きいので、1台に1回線を使用するのが望ましくなっています。従業員の人数によって増線しなければならないケースも考えられるので、オーナー側としっかり相談しましょう。
防犯システムの有無もセキュリティの観点から非常に重要です。特に情報処理関係を生業としている企業にとっては情報漏洩が死活問題ともなるので、防犯カメラが設置されているか、各フロアに鍵をしっかりかけられるか、よくチェックしておく必要があります。
フロア内の「天井高」も意外に大事なチェックポイントとなります。天井が低いと圧迫感を感じ、従業員に思わぬストレスをもたらす場合もあります。快適な環境下で仕事をしたいと思った時には普段気づきにくいこの部分にも十分配慮しましょう。
最後に、ビルのオーナーの人柄、というチェックポイントもあります。借りる側、貸す側で契約を交わしたわけですから、良好な関係を維持していきたいものです。更新時の費用など、各種交渉の時に満足いく結果を得るためにも、普段から懇意にしましょう。
以上みてきたように、オフィスビルの良し悪しを判断するには様々なチェックポイントがあります。特に移転を考えている企業にとっては、業務内容や従業員の規模によってベストとなるオフィスも変わってきます。今回挙げたものを参考に、良いオフィスビルで快適な毎日を過ごせるようにしてください。
良いオフィスビルの選び方のお役立ちガイド。こちらもご覧ください！ 【全国貸事務所・オフィス移転ナビ】
