先日、とある県庁がオフィス移転を行った際、専門業者との調整がつかず、県庁職員のみで移転を行ったことがニュースとなりました。悪戦苦闘しながらも、移転を成功させていましたが、これは規模の大きなオフィスとしては特殊な例と言えます。本来であれば、オフィス移転のプロである業者に頼まないと、中々計画もスムーズに進まないものです。今回はオフィス移転業者を探すコツを考察して、どのようにすればコストを削減できるかを探っていきたいと思います。
オフィス移転という作業は日数がかかり、さらにその規模によっては非常に複雑化することもあります。コスト削減にもつながるオフィス移転業者を選ぶにあたって、こうした大掛かりなオフィス移転に関して、しっかり対応できるかどうかを見極めるのは大切なことです。具体的にチェックポイントを見ていきましょう。
1:搬入、搬出を計画する立案力
オフィス移転に当たっては、基本的には通常の家庭での引越し作業をイメージすれば分かりやすくなりますが、様々なものを旧オフィスから新オフィスに運び出す必要があります。しかしながらその規模は家庭の引越しとは違い、デスクやイス、パソコン、ロッカー、その他オフィス什器等、運び出すものは数多く、また大型なものもたくさんあるのです。したがって、オフィス移転に関しては、これらの運び出しに対してあらかじめ綿密な計画を立て、搬入、搬出当日にはムダなくスピーディーに行う対応力のある業者を選ぶべきなのです。
2:オフィスレイアウトをデザインする作成力
オフィス移転は当然搬入・搬出ですべてが終わるわけではありません。従業員が仕事をしやすいように、デスクやオフィス什器を効率的に並べる必要があります。いわゆる「オフィス内のレイアウト」を上手に作成できる能力がある移転業者を選ぶのも重要なポイントとなります。
3:電気やネットワークといった、配線関係の対応力
ビジネスフォンの他にも、近年ではインターネットを活用している企業が増えています。こうした配線関係に関する知識や経験を豊富に有している移転業者を選んでいきたいところです。経験が浅い業者だと仕事もいい加減で配線もバラバラ、移転後すぐに仕事が始められなくなる可能性もあります。
これらの3つの力があるかどうかを見極めるためには、自企業と同規模のオフィスで、実際に移転の仕事に携わった経験があるかどうかをヒアリングしてみるのが良いでしょう。そうしたノウハウを有している業者であれば、安心して移転をまかせることができます。
その他、オフィス移転業者を選ぶコツについて考えていきます。
オフィス移転に関して業者に依頼する場合、果たしてどれくらいの金額がかかるのか、それをあらかじめ見積もってもらうことは必ず行わなければなりません。しかしながら、単なる見積もりだけではNGです。金額に加えて詳細な項目まで提示してくれるかどうかをしっかりと確認しましょう。詳細が出ているということは、綿密な計画に基づいてオフィス移転が行われることの何よりの証(その業者が信頼できることの証)となりますし、また、追加の作業、工程の変更によって余計なコストが発生するのを防ぐことにもつながります。さらに言えば、詳細を閲覧することによって、自企業の従業員でできるオフィス移転の作業を発見することができるかもしれません。業者にお願いすることと、自企業でできる作業を見積もり段階で明確に分けることによって、コスト削減にもつながります。
もう1つの移転業者を選ぶコツとしては、オフィス移転の過程において発生しうる様々な問題にしっかりと対応してくれるかどうか、ということです。旧オフィスで抱えているレイアウト上の問題が果たして新オフィスでは解決できるのか、しっかりと解決案を提示してくれるような業者を見つけたいところです。移転の専門家たる業者の方々は、ベストなオフィスレイアウトというのを熟知しているはずです。問題の解決もある程度スムーズに行ってくれるはずであり、ただ単に移転計画通りに仕事を行うだけの業者では、発生しうる問題の解決も望めません。
現代は情報化社会と言われています。インターネットを通じて様々な情報を効率よく処理していく能力は今のビジネスマンに必須のもの、といっても差し支えないでしょう。オフィス移転業者の選定にも、その「情報処理能力」は欠かせないものとなります。
現代はまさに星の数ほどのオフィス移転業者が存在します。中には眉唾ものの業者もおり、玉石混交と言えるでしょう。あらかじめ情報を入手、もしくは仕事上付き合いのある、信頼できる業者に移転を依頼できるならともかく、一から(移転業者を)選定する場合は、現代であればインターネットを駆使して優良なところを見極めなければなりません。
今は、そうした移転業者の比較サイトというものが存在しており、各業者の口コミ、評価などが閲覧できるようになっています。そうしたサイトを見るのが、最適な移転業者の選定への近道とも言えますが、百聞は一見に如かず。実際に自分の目で業者の質を確かめたい、という人も中にはいることでしょう。
そうした志向を持つ人は、実際に移転業者をホームページで確認するのがオススメです。確認するポイントとしては、まず実際に行った移転に関する実績がどれくらいのものか、そして業者ならではの強みがどこにあるのかを見ます。そして、実際に移転を行った時の様子や完成図などを写真で細かく載せているところもあるので、それらもよく確認しておきましょう。
総合的にチェックしてみて「ここが良い」という結論に至ったら、実際に業者の事務所などを訪れてみることも大事です。ホームページだけでは見えてこなかった、業者の本質が事務所には見え隠れしているものです。担当者の対応なども含めて業者の全体的な雰囲気をよく察知し、本当に契約を結んでも良いものかどうか、最終的な判断を下しましょう。
いかがでしたか。オフィス移転はまさに企業の一大イベントとも言えます。そこにかかるコスト、そして時間はとてつもない物がある、といっても過言ではありません。移転をスムーズに行い、新たなスタートを順調に切るためにも、そのアシストをしてくれるオフィス移転業者の選定は慎重に慎重を重ねる必要があります。様々な角度から複数の移転業者を分析し、「実績と信頼」に裏打ちされた業者を選定しましょう。