照明器具は人の生活の中で欠かせないものであり、オフィスに限らず家庭でも必ず目にするものです。省エネルギー政策の一環として、蛍光灯からLEDへの移行、急速なLED照明の普及により、家庭やオフィスの照明器具をLED照明に変更した方も多いのではないでしょうか。
LED照明の導入はどのような効果をもたらすのでしょうか。LED照明の特徴、メリット・デメリットを理解し、オフィスをより効率的なものにしましょう。
日本では、地球温暖化や2011年に起きた東日本大震災などの影響から節電の重要性や環境への配慮が最重要視されています。そのため、既存の照明器具を蛍光灯や水銀灯などからLED照明に変更する企業も増えています。多くの電機メーカーや企業がLED照明を商材として取扱い、メディアなどでも紹介される機会が増えたことで、人々のLED照明への認知度や関心も高まりました。それでもすべての人がLED照明を使用しているわけではなく、LED照明について「周りやメディアが推奨しているから、なんとなく」という気持ちで使用している人も大勢いるのが現状です。
LEDは略して「Light Emitting Diode」、日本語では「発行ダイオード」と言います。LED照明の特徴のひとつである寿命の長さから、信号機などの公共の設備から家庭で使用する照明器具、家電の表示ランプなど多岐にわたり使用できるとされています。実際に、種類が少なかった初期のLED照明器具に比べ、現在では私たちが目に止めることもないような細かな場所、生活のさまざまなものにLEDは使用されています。
企業は、新たな商品やサービスなどを提供するための投資を行ない、需要を満たし、消費者を満足させ成長していきます。また人を雇用し、継続させ、利益を生み出していくことも企業の役割です。その中で、社会貢献という働きも重要な役割になります。環境への配慮や見直しも企業の大切な役割になっています。LED照明は、社会貢献の中でも手軽なものになり始めています。基本的なLED照明の特徴を理解し、オフィスに取り入れていきましょう。
LED照明は、日々進化しています。LED照明の機能面だけでなく、種類や色味などもさまざまなものが取り扱われるようになりました。そんなLED照明の基本的なメリット・デメリットを理解しましょう。
LED照明のメリットは大きく分けて8つです。
1:寿命が長い
一番の特徴とも言えるのが、寿命の長さです。種類や1日の点灯時間などにもよりますが、蛍光灯の4倍から10倍くらい点灯を維持できると言われています。
2:消費電力が少ない
経済的な照明器具で、蛍光灯の1/4、白熱電球の1/10に消費電力を抑えることができると言われています。家庭はもちろん、オフィスは消費電力がかなりあるため、電気料金的にも大きなメリットになります。
3:環境に優しい
消費電力が少ないため、二酸化炭素の排出量が抑えられます。また、水銀の使用がないため、廃棄も安全に行なうことができます。
4:光浴による劣化が少ない
紫外線や赤外線をほとんど発生しないので、食品などの商品や展示された美術品などを傷めることなく、どんな場所にも使用可能です。
5:虫が近づかない
紫外線を出さないため、夏場や外での使用の際も虫が近寄りにくい照明です。
6:点灯直後でも明るい
室温・気温の変化に左右されることなく点灯するため、周囲の環境に関係なく、いつでも明るく点灯させることができます。
7:頑丈で衝撃に強い
フィラメントやガラスを使用していないため、割れにくく、万が一割れたとしても飛散の心配が少なく、安心な照明です。
8:ライフサイクルコストに優れる
導入に初期費用がかかりますが、維持費や破棄にかかる費用が抑えられるため、トータルで見たライフサイクルコストは安価に済みます。
反対に、LED照明のデメリットとしては、2点あげられます。
1:導入費用が高い
種類によって電気工事が必要になる場合があり、導入費用が蛍光灯などよりもかなり高くなります。そのため、LED照明の導入を躊躇している企業も少なくありません。しかし、最近はLED照明の導入を検討する企業のために、レンタル・リースという形で提供したり、商品のモニターとして電気工事費を無料でLED照明の導入をする業者もあります。また、LED照明をつくるメーカーや工場も増えたことでさまざまな価格のLED照明が販売されています。
2:明るさが不安
蛍光灯よりも暗いという意見を耳にします。確かに種類によっては明るさが異なり、手作業のような細かい作業を行なう仕事や色を判別する職種の企業などからは不満の声があがっていました。しかし、LED照明も進化を重ねています。明るさや色味を選択できるようになったことでデメリットではなくなりつつあります。
LED照明の特徴やメリット・デメリットを理解しても、どこのメーカーからどのようにLED照明を導入すればいいのかわかりません。また、オフィスは賃貸の場合も多く、LED照明の導入に必要な電気工事についてもきちんと知らなければなりません。
オフィスで使用されるLED照明は、法人向けのLED照明を扱う企業から購入し、導入することになります。そのとき、コストや照度のシミュレーションを行ない、オフィスの照明をLED照明に変更した場合の初期費用から継続して使用した場合の電気料金、オフィスで使用した場合の明るさや使い心地をしっかり確認しましょう。企業によっては、お試しとしてオフィスの一部をLED照明に変更してみるなど、LED照明の使い勝手を理解したうえで選ぶところもあります。1日の点灯時間が極端に短い場所にLED照明を導入しても、電気工事などの初期費用の方が大きくかかり、逆に損をしてしまう場合もあります。
LED照明のメリットは環境への配慮や安全性にもあります。電気料金に大きな差がない場合でも、社会貢献として環境への配慮からLED照明に変更する企業や、子どもが多い幼稚園・保育園や託児所、病院やお年寄りの多い施設などには、安全面を評価され、導入につながることもあります。企業にとって、LED照明のメリットや魅力は異なります。オフィスで照明器具をどのように考えているのか、LED照明の導入に踏み出すきっかけは企業次第なのです。
LED照明の導入は、「周囲が推奨しているから」という理由ではなく、企業が納得したうえで切り替えることがおすすめです。企業の働き方やオフィスの特徴に合ったLED照明の魅力がきっと見つかるはずです。
LED照明を理解し、効果的な使い方でオフィスにLED照明を取り入れましょう。