「OAフロア」とは、普通の床の上に、ネットワーク回線や電話などの配線を収納する空間を設け、二重構造の床にしたフロアを指します。オフィス移転を考えている方は、オフィスの設計段階で、この仕様にするメリットを知っておくとよいでしょう。
オフィスの設計をOAフロアにする一番のメリットは、ここにあると言ってよいでしょう。通常のフロアであれば、ケーブルや配線がむき出しになっているため、足が躓いたりすることもあるでしょう。さらに、躓くことによって電源が落ちたり、大事なデータが飛んでしまうことも予測されます。これは、何も従業員に限った話だけではありません。顧客が訪問した際に、余計なトラブルの芽をあらかじめ摘み取っておくことにもなります。身体面、セキュリティ面。どちらの面から見ても、OAフロアは安全性を向上させるのです。
これも重要なメリットです。オフィスのフロアは、会社の顔の一部でもあります。顧客からしても、ごちゃごちゃと配線がむき出しになったフロアよりも、整然と設計されたOAフロアの方が好感度は高いはずです。また、顧客のみならず、従業員にもその効果は現れるでしょう。さらに、配線をすべて床下に収納しているため、小さなレイアウト変更であれば、柔軟にデスクのレイアウト変更などが行えます。頻繁にレイアウト変更や席移動があるオフィスであれば、OAフロアは必須といえるでしょう。
もちろん、オフィスをOAフロアに設計したからといって良いことばかりではありません。まず、OAフロアの場合は床下が空洞になっているため、配線工事を工事会社に頼む必要があります。また、一度配線を決めてしまうと、後で大規模なレイアウトの変更がしづらいといった側面もあります。OAフロアでは、コードを出す位置があらかじめ決まっているため、小規模な変更であればスムーズに出来ますが、大規模なレイアウト変更になると、一度床を剥がさなければいけない場合も出てくるからです。
OAフロアにすることで、安全面やセキュリティ面も向上しますし、見た目も美しいフロアに仕上がります。しかし、その一方で工事に余分なコストがかかったり、大規模なレイアウト変更には向いていないというデメリットも存在します。どちらも考慮した上で、働きやすいフロアの設計を考えていきましょう。