経営の神様こと松下幸之助の名言「事業は人なり」からも分かるように、会社経営が上手くいくかどうかは、働く社員の能力とやる気をいかに引き出すかにかかっています。ここで紹介する一流企業のやり方から、その秘訣を学んでいきましょう。
世界各地に展開している高級ホテルグループの「リッツカールトン」。飛び抜けたサービス力でホテル業界では圧倒的な存在感を誇る同グループには「ファーストクラスカード」という仕組みがあります。これは、サービスに当たって他部門から協力してもらったときなどに、その気持ちをカードに書いて渡す仕組みで、その内容はそこで働く社員全員が共有できるようになっています。感謝されてやる気も向上し、さらには周囲にもサービス事例の共有ができるという非常にすぐれた仕組みです。
日本企業の中でも、特に社員のやる気を引き出す工夫に熱心なのが「サイバーエージェント」です。実績をあげた社員には賞与や昇格に加えて全体の前での表彰を行ったり、さらには「陰口」ではなく「影褒め」という「他の社員を直接ではなく間接的に褒める」といったやり方を推奨していたりと、様々な取り組みがされています。その他にも、「シャッフルランチ」といって他部署とのランチを会社負担で行えるなど、見習うべき点が多い企業です。
バネ製造をメインの事業としている「中里製作所」の社員をやる気にさせる方法は何ともユニークで、「嫌な相手とは取引しない」という方針を貫いています。無理を押し付けてくる取引先とは契約を打ち切り、その分社長が新しい取引先を見つけてくるのです。多くの敵を作ってしまいそうに思えるこの方法ですが、結果として社員のやる気は上がり、業績も好調を維持し続けているというから驚きです。正に目から鱗のやり方と言えるでしょう。
社員のやる気を引き出すには、社員が気持ちよく仕事にやりがいを感じながら働ける環境を整えることが大切です。これらの企業のやり方を参考にしつつ、自社に取り入れることの出来るものは、積極的に取り入れていきましょう。