オフィスは多くのビジネスマンにとって、一日の大半を過ごす場所であり、自宅以上に過ごす時間が長いこともあります。そんな場所だけに最近では従業員の満足度を高めるために、オフィス家具にユニークなものを導入する企業も増えています。
従業員が働きやすくなり、また気分をリフレッシュさせたり、社員の健康増進にも役立ったりオフィス用品にはどんなものがあるのでしょうか。
カラフルで楽しげな雰囲気の漂うオフィスは、創作意欲に溢れていて、画期的なアイデアが湧いてくるかもしれません。
そんなオフィス用品を導入している会社が、イラスト系のソーシャルネットワークを運営しているピクシブ株式会社です。多くのクリエイターが参加するSNSを運営しているだけに、オフィスにクリエイターの人達が訪れることも多く、また社員たちもデザインやイラストに関して高い関心をもつ人たちばかりです。
そんなピクシブのミーティングルームには、カラフルなキューブがたくさんおいてあり、積み重ねられています。普段はこのキューブたちは積み重ねると2メートルほどになるので、オフィスとミーティングルームのパーテーションとして使用されています。しかし、ミーティングルームで外部の人間と打ち合わせを行う時、また、社内の人間同士で打ち合わせをするときは、そこからキューブを取り出して椅子代わりに利用することができるのです。
カラフルなキューブはオフィスを彩り、イマジネーションを喚起する役割を持つだけではなく、実用性もある立派なインテリア家具なのです。気分次第で好きな模様にパーテーションを変えられるので、気分転換にも役立ちそうですね。
その他にもこの会社では絵馬を壁一面に敷き詰めたエントランスがあり、クリエイターが訪問をしたくれた際にはそこにイラスト等を描けるようになっています。デザインとイラストにあふれたオフィスとして有名です。
バランスボールというと、最近では家でダイエットに利用する人が増えています。バランスが取りにくい弾力性のあるボールの上に乗り続けることで、知らず知らずのうちに筋肉と体幹を鍛えてカロリーを消費する効果が有るのです。大きくてかさばるだけに、こっそりオフィスに持ち込んで休み時間にダイエットに励みたいと思っても気軽にできるものではないですよね。
そこで、オフィスの椅子代わりにバランスボールを導入する企業が出てきています。育毛剤の薬品を発売している中野製薬という会社では、デスクワーク用の椅子として、希望者にはバランスボールを提供しており、運動不足になりがちなデスクワーカーの社員の健康増進を考えた取り組みを行っています。座りづらいと感じる人はもちろん普通の椅子を使うこともできますし、ダイエットに取り組みたい人、運動不足を解消してみたいと感じる人は積極的にバランスボールを椅子代わりに利用できるのです。
最近はオフィスで空き時間にできる運動やストレッチをする人が増えていますが、特に意識せず、知らず知らずのうちにダイエットができてしまえば、仕事にも集中できるかもしれません。社員食堂のメニューで社員の健康に気を遣う企業もありますが、こういった取り組みも増えていきそうです。
コクヨといえば国内でも代表的なオフィス用品メーカーの一つですよね。自分のオフィスにもコクヨの商品が一つやニつはあるのではないでしょうか。そんな老舗の家具メーカーであるコクヨですが、常に斬新な商品を市場に提供するために、自社のオフィスづくりにも大変力を入れています。
家具メーカーのオフィスが味気ないものであったら、体外的なイメージの問題にもなりますから、とてもオフィスとは思えないユニークなものまで置いてあるのです。品川のオフィスでは中庭や室内で野菜を栽培しており、社員のコミュニケーションの促進を行っています。屋外でリラックスして仕事に取り組めるようにリゾート地のようなテーブルとチェアが置いてあったり、集中できる四方が囲まれたスペースなどがあります。
また、常に新しい商品アイデアを導き出すために、四方がホワイトボードになったアイデアラボという部屋もあり、いろいろな色のペンやマーカーもたくさんおいてあるので、思ったことを自在に好きなだけ書き出せるようになっています。こういった実験的なオフィスを全国各地に展開しており、また見学を募るなど外部に公開をしているのです。まさに老舗メーカーならではの矜持ではないでしょうか。
東大卒の社長が創業したことで知られる、クリエイター集団チームラボは、そのイノベイティブなオフィスから多くの画期的なアイデアが生まれていると言われます。特に同社のオフィスは社員同士が積極的に交流し、壁を取り払って「チーム」が偶然生まれる機会を増やすための工夫が各所に盛り込まれているのです。
例えば複数の人間が同時に話をできる大きめのデスクは、「めもですく」というものであり、表面は模造紙が何枚も積み重ねられたものになっています。従来打ち合わせをする際にはホワイトボードを使うのが一般的でしたが、それだと立って書かなければいけない上に、一人に注目せねばならずフラットな話し合いになりにくくなります。しかし平面のデスクでそのままアイデアを書くことができれば各人が思ったことにすぐに書くことができるため、それぞれのアイディアをすぐに伝えることができます。
その他にも、東京絵巻棚というパーテーション兼収納用品は八角形の棚を積み重ねたものになっています。さらに、棚のそれぞれには街の建物などが描かれており、自由に組み替えが可能なので一つの街を自分の好きな様にアレンジして模様替えができるようになっているのです。クリエイターが多く集う企業ならではの斬新なオフィス家具やインテリアが豊富に導入されています。
社員のパフォーマンスを向上させるには、待遇や給与面も重要ですが、実際のオフィス環境を整えることも必要なのかもしれません。気分的にも環境的にも心地よいオフィスには自然と人が集まり、イノベイティブな仕事が生まれていくかもしれませんね。