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長引く会議を何とかしたい……身につけるべきファシリテーション能力とは

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長引く会議を何とかしたい……身につけるべきファシリテーション能力とは

​あなたの職場では会議はどのような形で行われていますか?ただ長々と座って話し合うのではなく、積極的に発言を交わし合い、スムーズに議題について話し合えていますか?改善すべきということはわかっていても、どうしたらいいのかわからない……そんな方のためにここでは会議やミーティングをより円滑で濃いものとするために必要なファシリテーション能力についてお話ししたいと思います。ファシリテーションについて学ぶことで会議のあるべき姿がわかり、そのためのプロセスも身につけられ不毛な会議もがらっと変わることでしょう。

​ファシリテーション能力とは?

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

​ファシリテイト【facilitate】には物事を楽にする、促進するといった意味があります。ファシリテーションという言葉は会議だけにとどまらず、集団による問題解決や知識創造活動を促すための舵取りという意味で使われます。異なる立場や価値観を持つ人々が臆することなく意見を出しあえるためのコミュニケーション技術としても必ず役に立ちます。ファシリテーション能力は、どんな役職の人でも養っておいて損のないコミュニケーションにおける有意義な技術なのです。
ファシリテーションのスキルには、以下のものなどがあります。
・場をデザインするプロセス設計のスキル
・コミュニケーションスキル
・図解などの構造化のスキル
・合意形成のスキル
場をデザインするというのは場所の選定だけではなく、議題に適したメンバーの選定も含まれます。意見を出しやすい雰囲気づくりも大切ですし、問題点を指摘した人が不利益を被らないように努めるスキルも求められます。
対人関係のスキルとも言えるコミュニケーション能力では、人の意見を受け止めたり引き出す技術を要します。
構造化のスキルではホワイトボードを使って話し合いの目的を明確にし、話が逸れてきたなと感じてきたら目的を再度皆で確認し、上手に舵を取っていきます。
合意形成のスキルでは意見をまとめていきますが、対立意見の解消をする力が求められます。

​ファシリテーターの役割

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

ファシリテーションを行う人、ここでは会議やミーティングをより良くするためのリーダーである「ファシリテーター」の役割を考えながら、会議のあり方を見直してみましょう。
忘れてはいけないのは、ファシリテーターはあくまでも中立的立場の進行役であること。会議を円滑に進行するため発言しやすい雰囲気を作ったり、会議の閉塞感を打開することに徹底すること。自分の意見を述べるのではありません。
職場では日々会議が何かと行われていますが、限られた時間を濃いものにするためにファシリテーターはどのように会議を進めていくでしょうか?
まずは会議を始める前の準備段階からそれは始まっています。会議の始まる数日前までに資料を参加者に配布し、会議の目的や議題などを明確にしておきます。会議前には緊張感をほぐすアイスブレイクなども取り入れます。会議が始まったら参加者が自由に本音で発言できる場を作りながら、時には参加者に問いかけながら意見を引き出していきます。必要に応じてホワイトボードなどを使って意見をビジュアル化しながら論点を構造化し、参加者の思考を助けます。もしも意見が対立したり迷走した場合は、事業目的や組織の目指すものを提示してお互いの意見や利害を乗り越えた合意点を見出し、会議の滞りを打開する技術も必要となります。そして様々な意見を現実の状況に合わせて取捨選択しながら予定時間内に終わるよう舵取りをしていきます。そして、会議終了時刻には決定事項や次回の課題をまとめていきます。
近年ビジネスは多様化し、企業は様々なメンバーで構成されるチームによる問題に直面することも多くなってきています。人材の動きも活発になってきている中で、様々なタイプの人々と関わっていくようになっています。効率的な会議やミーティングを行うためには、優れたファシリテーターによる問題解決も重大な課題です。

​ファシリテーションの活かし方

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

​ここまででファシリテーションの意味と、ファシリテーターの役割がお分かりになってきたと思いますが、実際にあなたの会社で日々行われている会議を変えるために、あなた自身が密かにファシリテーション技術を身につけ、いきなりファシリテーターとして名乗りをあげたとしても、それが上手くいくことは少ないのが現実かもしれません。ファシリテーションという有効な技を知らない、頭のかたい人々が場を仕切るような企業では、まだまだ会議を仕切るのは偉い人、会議にはもちろん上下関係が持ち込まれてしまいます。誰もが問題だらけの会議にはうんざりしているが、それを変えていくほどの力がない……というのも現状なのです。
ファシリテーションを企業の会議に取り入れるには、会社全体でファシリテーションの基本技術を学ぶ必要があります。企業のトップ自らが従業員の潜在的な能力や創造性を積極的に引き出し、社員の成長と組織の成功を導くツールとしてファシリテーションを取り入れるということです。ファシリテーションについての学びがあれば、ファシリテーターのような権限のあるポジションになくとも、会議の参加者の1人として行き詰まった状況を活性化したり促進することができます。ファシリテーションの専門家による研修やセミナーは会議だけでなく組織運営や人材開発にも大きな成果をもたらしてくれるでしょう。書籍などで学ぶのも良いですが、まずはファシリテーターの実践を行うことができる研修の場で演習を行って、自ら経験をしていくことが上達のコツとなります。

ファシリテーションを学ぶ

【引用元:写真AC】
【引用元:写真AC】

ファシリテーション関連の書籍や研修を行っている機関をご紹介します。
・書籍
『ワークショップデザイン 知をつむぐ対話の場づくり(ファシリテーション・スキルズ)』堀公俊・加藤彰 日本経済新聞出版社
『ファシリテーターの道具箱』森時彦 ダイヤモンド社
『会議ファシリテーションの基本がイチから身につく本』釘山健一 すばる舎
『システム開発現場のファシリテーション メンバーを活かす最強のチームづくり』新岡優子・前川直也ほか 技術評論社
『板書の極意-ファシリテーション・グラフィックで楽しくなる会議。』八木健夫 アメニモ
『何を言っても許される「場と空気」のツクリ方』高野文夫 同友館
『ファシリテーター養成講座 人と組織を動かす力が身につく!』森時彦 ダイヤモンド社 など
・ファシリテーション研修機関
日経ビジネススクール 「ファシリテーション能力開発」
パーソナル総合研究所 「会議のためのファシリテーション研修」
情報機構 「ファシリテーション入門」
株式会社インソース 「ファシリテーション研修」 (人数が多ければ社内への派遣研修も行っています。)
日本ファシリテーション協会 「ファシリテーション基礎講座」 (全国10箇所に会場があります。)
産能マネジメントスクール 「ファシリテーションスキル入門コース」ほか
以上のように各地で定期的にファシリテーションの研修は行われています。研修では主に演習、実践を中心に1日から3日間ほどでそのスキルを学んでいきます。ファシリテーションの第一人者とも言える関連書籍の著者による直接講義もあれば、様々な企業研修を行うスクールでの講師による授業などがあります。対象者も一般的に広く受け付けているところとリーダーや中堅社員が対象の場合があります。
​海外の人から見ると日本人の行う会議は生産性のない報告会のようなもので、その進め方や運営方法に大きな問題があると指摘されています。ただ長々と実のない会議に時間を費やすのは良くない、とお気づきなら、まず会議とは意見を交わす場所であることを前提に会議のあり方から見直す必要があります。あなたの職場で無駄な会議はありませんか?そんな会議自体を見直す機会が会社自体の改善にもつながるのです。ファシリテーションはその第一歩として必ず役に立つツールです。

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