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M&Aコンサルティングを通じて企業買収を成功させたいと考えている企業もあるのではないでしょうか。M&Aコンサルティングには3つの依頼先があり、それぞれ特徴が異なります。費用も比較しながら、企業課題に合った最適な依頼先を決定することが大切です。
今回は、M&Aコンサルティングが提供する業務支援や依頼先などについて紹介します。
M&Aコンサルティングは、M&Aの買い手または売り手にアドバイスしたり、企業間の交渉を代わりに引き受けたりする仕事です。
M&Aで注意しなければならないのは、あらゆる法律が手続きに関係してくることです。自社だけで進めることに不安がある場合は、専門知識のあるM&Aコンサルティングを利用することで、関連法令を遵守しつつ、不備のない契約書や秘密保持契約書などを相手の企業と交わすことができます。
また、契約締結後の組織編成や統合のサポートを受けられることも、M&Aコンサルティングの魅力です。
さらに、M&Aコンサルティングを提供する会社には独自のネットワークが存在するため、取引相手を紹介してもらいやすいメリットもあります。自力で買収先を探すよりも選択肢が広がるため、良いタイミングでM&Aを実現できる可能性が高まります。
M&Aコンサルティングに依頼できる業務内容として、下記の4つがあります。
・M&Aの戦略策定
・対象企業の洗い出し
・デューデリジェンスの実施・交渉サポート
・クロージングと統合プロセスのサポート
それぞれの業務について詳しく説明します。
M&Aの戦略策定とは、自社のM&Aにおける目的を明らかにし、目的を実現するためにどのような過程が必要か具体化することです。
M&Aの戦略策定は、成功率に大きく影響します。方向性が定まらないと、どのような企業に事業承継したいのか、あるいはどのような企業を買収したいのかが不明確になり、戦略が立てられないためです。
M&Aコンサルティングは、具体的に戦略を立て、M&Aの成功率が高まるようサポートする役割があります。
策定したM&Aの戦略に基づき、M&Aコンサルティングは買収対象の企業を探します。1案件につき、10社以上を候補先としてリストアップするのが通常です。
その後、実際にどの企業にM&Aの提案をしていくのかを決めていきます。買い手である企業が強く関心を寄せる候補先を中心に、M&Aコンサルティングは候補先の詳細な情報を開示します。
M&Aの候補先をある程度絞った後は、トップ面談を実施したり、M&Aの基本的な条件について候補先と交渉したりするステップになります。
交渉の際は、コンサルティング企業が買い手や売り手に対して、助言や条件のすり合わせを行います。
交渉がまとまり、候補先が1つに絞られた段階で行われるのが基本条件の合意です。法的拘束力のある基本条件合意書の締結を行い、M&Aのスケジュールや取締役の処遇などの基本的な内容を決定します。
基本合意の締結後に実施されるのが、デューデリジェンスです。買収監査とも呼ばれるステップで、契約締結前の最終確認として、売り手側が共有している情報に乖離がないかを譲受企業が確認します。
デューデリジェンスは広範囲にわたって行われるもので、専門的な知識が求められる工程です。M&Aコンサルティングは、隠れたリスクの回避や適正価値の算出などのデューデリジェンスの実施を行います。
デューデリジェンスの実施後は双方の最終的な合意が確認でき次第、最終契約書の締結を行います。最終契約書は、M&Aの権利や義務などを定めた法的拘束力のある書類です。弁護士などの専門家の力を借りながら慎重に作成していきます。
最終契約書の作成や締結の段階でM&Aコンサルティングが担う役割は、契約内容に関する相手方との交渉です。
契約締結後は、PMI(M&A後の経営統合プロセス)を実施します。PMIは短期の経営統合プランにより実施されるものです。M&Aコンサルティングは、買収後のシナジー効果を最大化するために統合プロセスをサポートする役割もあります。
M&Aコンサルティングを利用する場合の相場や一般的な支払いのタイミングは下記の通りです。
名称 | 相場 | 支払いタイミング |
相談料 | ・基本は無料
・一部では1時間あたり数千~数万円 | 相談時 |
着手金 | 数十万~数百万円
(基本的に返金されない) | 業務委託締結時 |
コンサルティング料 | 基本的に時間単価 | 業務委託契約後からM&Aが成立するまで定期的に発生 |
デューデリジェンス費用
※買い手側に発生する費用 | 数百万円
(仲介会社によっては着手金やコンサルティング料に含まれる) | デューデリジェンス実施時 |
中間報酬 | 固定報酬(数百万円から数千万円)または成功報酬の一定割合(10~20%程度)を支払うパターンがある | 基本合意の締結時 |
成功報酬 | M&Aの取引金額に対して一定割合 | 最終契約の締結時(M&A成立時) |
M&Aコンサルティングでは補助金の活用も可能です。M&Aに関連する補助金については、こちらの記事で詳しく説明しています。
関連記事:「M&Aに活用できる補助金「事業承継・M&A補助金」とは」
M&Aコンサルティングの依頼先を3つ紹介します。
M&A仲介エージェント(M&A仲介会社)は、事業の買い手と売り手をマッチングするサービス事業者です。双方の譲れない条件を明確にして、M&Aが納得のいく形で成立するように調整する役割を担います。
M&A仲介エージェントは、他の依頼先と比較して報酬が比較的安価なのが特徴です。コスト面で利用しやすいことから、中小企業のM&Aで広く活用されています。
財務アドバイザリーファームやコンサルティングファームは、M&Aの買い手または売り手と専属契約を結んでM&Aを支援する事業者です。
M&Aの買い手または売り手のどちらかの企業についてサポートするため、依頼企業の利益を最大化してM&Aを実現できるメリットがあります。買い手側なら低価格での買収支援、売り手側なら高価格での売却支援を受けられます。
報酬は、M&A仲介エージェントと比較すると高額です。低価格でのM&Aではコスト高になりやすいことから、中小企業間のM&Aよりも上場企業の買収のような大型案件での利用に向いています。
M&Aのサポートを銀行や証券会社のような金融機関に依頼する方法もあります。M&A仲介エージェントやコンサルティングファームのようにM&Aを専門に扱ってはいないものの、社内の専門部署がM&Aを支援しています。
銀行にM&Aのサポートを依頼するメリットは、買い手や売り手を探しやすいことです。多くの企業に融資を行っているため、さまざまなパイプがあります。外資系投資銀行であれば、海外の企業を相手にした売買の成立も期待できます。
証券会社にM&Aのサポートを依頼するメリットは、上場企業の公開買い付け(TOB)での買収支援を期待できることです。株式市場の専門家であることから、上場企業の買収サポートに長けています。
M&Aコンサルティングは、企業の事業承継などを実現する専門家です。M&A仲介エージェントや財務アドバイザリーファーム、銀行などの金融機関にM&Aコンサルティングを依頼する方法があります。それぞれ特徴が異なるため、M&Aの規模やコストと照らし合わせて最適な依頼先を見つけましょう。
また、M&A後に直面する大きな課題のひとつが、「オフィス戦略」の問題です。例えば、買収先とのオフィス統合を行う場合、社員の座席配置や共有スペースをどう設計するか、業務効率とコミュニケーションを高める環境をいかに整備するかは、PMI成功の鍵となります。また、オフィスを統合しない場合も、M&Aに際した組織体制変更に対応して、既存オフィスの面積や機能を見直す必要があるでしょう。
このようなM&Aにともなうオフィス戦略については、MACオフィスの「WEOマネジメント」をご活用ください。WEOマネジメントでは、中長期の事業計画に則り、働く環境の最適化を計画立案いたします。
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