企業経営において、仕事でリーダーシップを発揮できる人材の採用と育成は最重要事項といっても過言ではありません。そんなリーダーシップを発揮できる人とは、一体どういう人なのでしょうか。その資質を見極めるためには、日頃の言動を以下のポイントを意識しながら観察してみて下さい。
リーダーシップは通常の業務中に発揮するものもありますが、危機的状況やピンチのときはより発揮されやすい環境になります。さらに言えば、調子の良いときや上手くいっているときにリーダーシップはあまり必要ありません。
「この人はリーダーシップがある人かどうか」を見極めるには、何か大きなミスをしたときや仕事で切羽詰まって追い込まれたときの態度を見れば良いでしょう。リーダーシップの無い人は、すぐに他人に責任を転嫁したり、言い訳探しを始めます。逆に、リーダーシップのある人は、その事態に対して真正面から向き合い、率先して泥をかぶることができます。こうした違いが、トップに立ったときの危機管理能力の差にも現れるのです。
人間の能力には限界があります。リーダーシップを発揮できる人は、そのこと自覚し、他人に任せることの大切さに気づいています。そのため、全てを自分でやろうとせず、周囲の人間に足りない分は補ってもらおうとする姿勢が身についているのです。いくら優秀な人でも「全部自分がやった方が早い」「周りは無能だ」といった態度で仕事を進めているようだと、リーダーシップは発揮できないでしょう。サイバーエージェントの藤田晋社長も「私は管理職に登用する際の選択基準を、一にも二にも人格に置いている(中略)特に、実績があって人格の悪い人間、つまりBタイプ(=人格が悪くて実績のある人)の社員は絶対管理職に上げないようにしている。」(http://president.jp/articles/-/5483?page=4)とインタビューで明言しています。
ソニーの盛田昭夫と井深大のように、お互いの足りない所を補完しあい、周囲の人間に大きな仕事を思い切って任せ、全体のレベルアップが図れる人こそがリーダーにふさわしい人物といえるでしょう。
パナソニックの創業者であり、経営の神様と謳われた松下幸之助がもっとも大切にしていたといわれるのが「素直な心」です。リーダーシップにも様々な種類がありますが、批判と誹謗中傷をしっかりと区別し、共に働くスタッフや現場の声、そして顧客からの要望を拾い上げる素直な心がリーダーには求められます。そういった姿勢が、本人はもちろん周囲のメンバーの成長につながるのです。リーダーシップを発揮できる人は、一方的な愚痴や不満を漏らすのではなく、常に建設的な意見や提案を発している人の中にいます。
リーダーシップの有無は、緊急事態の際はもちろん日頃の何気ない言動にも無意識のうちに現れています。責任感と素直な心を持ち、周囲を信頼しながら仕事をしているかどうか、そういった点を意識しながら、良い人材を見極めていきましょう。