株式会社リベラジャパン様は、緑と水の恵み豊かなスペイン北西部ガリシアの総合飲料メーカー、イホス・デ・リベラの日本窓口として全国商流を行う会社です。イホス・デ・リベラ社は1906年創業、100年以上の歴史があります。輸入販売業、免許取得の為の事務所を経て、いよいよ日本法人事務所の開設となったプロジェクトに携わらせていただきました。計画開始から工事完了引き渡しまで約５か月のプロジェクトでした。

計画当初は「本国が重視しているデザイン性とお客様が求めている働きやすい環境」の双方を叶えることが、今回私たちに与えられたミッションとされました。議論となったのは、本国のイメージする「歴史と伝統ある会社」をアピールするブランド戦略を押していくのか、あるいは日本の顧客目線に合わせ、マーケティング重視のデザインを展開していくのかということでした。沢山の議論の末、最終的には日本サイドのマーケティングを重視していくことになり、「明るく清潔感があり使い勝手の良いオフィス」を目指しました。

お客様が望まれたデザインの方向性は、商品の良さが伝わる見せ方をすること。インテリアとしてはいたってシンプルに、出来るだけ商品を引き立てるような空間としていくことになりました。初回提案から変わらずにこだわったのがエントランス正面にある純白の壁です。実はただ白いだけではなく、２色の白を職人の手によって模様をつけながら塗装した１点ものの「左官壁」となっています。これは２色の白が織りなす「深さ」を表現したいという意図があり、日本の職人技術を持ってして出来る繊細さや奥ゆかしさの翻訳です。写真では見にくいかもしれませんが、実際ご覧いただくと、一般的な塗装とはまた違う、特別な雰囲気を醸し出していると思います。

レイアウトプランはお客様のご要望を踏まえながらも、デザインをお任せいただいた者としての視点から考えられるプランもぶつけさせていただきました。その中でお客様に気付かせていただく部分もあり、喜んでもらえることもあり、対話を重ねることがどれだけ重要なことか、そんなことを改めて感じさせていただいた案件です。