NANO MRNA様は、アクセリード様との資本業務提携に伴い、愛宕グリーンヒルズMORIタワーへご移転されました。窓2面からの採光と見晴らしの良さを損なわないよう、会議室の壁をガラスで構成し、大きな什器をあえて斜め向きに設置することで、圧迫感を感じさせない動きのある自由なレイアウトを目指しました。社名変更に伴い、ロゴも遺伝子の螺旋形状をモチーフにしたカラフルで躍動感のあるデザインに一新。オフィスもロゴと連動するように、遺伝子の「螺旋形状」のモチーフと「カラフル」な色合いをテーマに、真面目な印象になりがちな医療・研究系分野のオフィスイメージを覆すような遊び心のあるオフィスに仕上げました。会社の顔となるエントランスの内装は全て白で統一し、「プロジェクションマッピング」の映像を投影することで完成するデザインとしました。次々に移り変わる映像が、NANO MRNA様の先進性と常に変化していくイメージとリンクし、オフィスとしては珍しい挑戦的な驚きを与え、動画の終わりに投影されるロゴマークに一気に引き込みます。執務室の内装は、デフォルメした螺旋形状のモチーフを用い、複雑な螺旋構造の印象を親しみやすいキャッチなアイコンとして昇華しています。オフィスの中心をS字に走るグラデーションカラーのタイルカーペットは、レインボーのボーダー状に貼る事で色を連動させ、部屋に入った瞬間の鮮烈な感情を呼び起こします。室内の目隠しの機能を兼ねているガラスフィルムにも透明の抜きでグラフィックを施し、螺旋のアイコンの印象を強めています。バーカウンターは本体は細かなリブ材を用い、立体の影が作る緻密な模様が、一見すると単調なホワイトに表情を与えます。このオフィスの為に特別に色を指定して作ったカラフルなガラス片を混ぜたテラゾーの天板と、天板の下にレインボーの間接照明を入れることで、カラフルで動きのある空間に調和するデザインとしました。色を多用しすぎて散らかった印象にならないよう、淡いグレーや淡い色味の木目柄などの主張の少ないニュートラルな色味でをバランスをとりながらも、張地やキャビネットもロゴマークのカラースキームに合わせています。ロゴの色に合わせた10色の彩色で空間が彩られ、色の持つパワーがそこにいるだけで元気を与え、ハッピーな気持ちにさせてくれます。
まだまだ日本は無難で単調な印象のオフィスの方が多いように感じますが、このくらい遊び心をもって、会社のフィロソフィーを体現するオフィスがスタンダードになったら未来も明るくなりそうです。